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2017.03.27

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こんな部下どうする? レベル9「育児と仕事の両立に悩んでいる部下」

部下から「育児休暇をとらせてください」と言われたとき、イケてる上司の答え方とは?

オーシャンズ世代のイケてる上司のみなさんに質問です。もしも、自分の右腕として存分に活躍してくれた女性の部下から、「妊娠したので、育児休暇を検討したいのですが。。。」と告げられたとしたら、あなたはどのように答えますか?
「そんな部下でもイケてる上司でいられますか?」を最初から読む
コンプラアインス的にも人道的にも、ここは「それはおめでとう!会社としても応援します。元気な赤ちゃんを産んで、また帰ってきてくださいね」のような回答をするのが正解ですが、きっとあなたの頭の中は「うわー、彼女にお願いしていた仕事、誰にやってもらえばいいだろうか。。。」と焦ってしまうことでしょう。慢性的に人手不足の業界にお勤めであれば、なおさらです。
ひと昔前の日本では、女性は結婚すると退職する、子育てがあるから管理職は任せられない、などの固定観念がまかり通っていた時代があります。仕事を第一優先に考えるべきで、プライベートな事情を優先するなんてもってのほかだ、といまだに考えている古い経営者もいます。育児休暇を申請するのに後ろめたさを感じる職場は、女性にはもちろん、男性にも働きやすい環境だと言えるでしょうか?(最近は、男性の育児休暇も少しずつですが、増えつつありますよね)
オーシャンズ世代であれば、第一線で働く女性を間近で見てきた経験もあるでしょうから、「仕事のことは心配しないでいいよ。元気で戻ってきてね」と自信を持って育児休暇に送り出せるマネージャーであってほしいと思います。
そして、難しいのはここからです。その部下が育児休暇を終えて職場に復帰しました。最初は短時間勤務かつ時間外労働なしで働いていたのですが、「育児休暇をとる前の方が、責任ある仕事ができていました。私にとっては育児も仕事も両方大切なんです」と訴えがありました。確かに仕事ができる部下なので、育児への配慮をした業務内容が彼女にとっては物足りないようです。
さて、あなたならこんな部下、どのように対処しますか?
あんまり考えもしないで「育児も仕事も頑張るって、大変だよねぇ。わかるよ」なんて、上司として他人事のように言ったりしてませんか?

精神的にも体力的にも疲弊して、“両立”どころか“共倒れ”になってしまう危険性も

「そうか、元々業績も高いし、本人も頑張れるというならフルタイムで働いてもらおう」と思ってしまったあなた。その考えはちょっと早計です。上司としての“育児と仕事の両立支援”とは、本人を限界まで頑張らせることではありません。
私なら、この部下には「職場への後ろめたさ」と「仕事での自己承認欲求」があるのだと考えます。たとえば、子どもの預け先から急に熱を出したため迎えに来てほしいとの連絡が入ったときに、子どもを早く迎えに行きたい気持ちと、同僚や取引先に迷惑をかけたくない気持ちの板挟みになる。そんな出来事が積み重なっていくと「会社にこれ以上迷惑かけられない。もっとちゃんと仕事で貢献しなくては」という気持ちが生まれるのではないか。そして「仕事をする自分が好きで、子育てでそんな自分を失いたくない」という気持ちもあるのではないか。そのまま申し出を鵜のみにすれば、精神的にも体力的にも疲弊して、“両立”どころか“共倒れ”になる危険性もあります。
そんな彼女に対し、「“育児も仕事も大事だから、どっちも頑張る”ではなく、“育児も仕事も楽しむなら、どっちも周りを頼っていいよ”」とアドバイスできるが、本当の両立支援ではないでしょうか。
育児介護休業法や自治体・企業による子育て支援策がニュースで話題になっていますが、そういった枠組みだけで仕事と育児の両立支援ができるわけではありません。あなたの職場を“育児をしながら働きやすい職場”にしたいのならば、あなた自身の上司としての“度量”が必要とされているのです。
次回はレベル10「介護での離職が懸念される部下」です。
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取材・文/藤井大輔(『R25』元編集長)



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