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2017.02.20

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こんな部下どうする? レベル4「給与に不満をもらす部下」

「安い給与で働かされている」と不満を言う人の、その根拠は?

働く人の不満ベスト3といえば、給与・人間関係・労働環境。その中でも特に給与への不満は、対処する上司にとってもデリケートなものです。
「そんな部下でもイケてる上司でいられますか?」を最初から読む
そもそも給与に不満をもらす人は、何が原因でそうなっているのでしょうか。
(A)「自分の働きが給与と見合っていないと思っているから」
(B)「他の人と比べて自分の給与が低く感じるから」
(C)「会社への漠然とした不満が給与への不満につながっているから」
どの項目も、もっともらしい理由のように思えます。
(A)は絶対的・客観的評価が会社と本人で釣り合っていないことが原因だし、(B)は逆に相対的評価が不満で、もっと言えば「なんてあの人の方が自分より上なの?」といったことが原因だし、(C)は内発的動機を失っている、つまり仕事へのモチベーションが上がらないことが原因で直接的に給与とは関係ありません。
それぞれ給与への不満が引き起こされている原因は違っていますし、当然それぞれ対処の仕方が異なります。
しかし、一番やっかいなのは「不満をもらしている部下本人ですら、どれが原因なのかをわかっていない」ということです。例えば、部下と話をしたときの自己申告は(A)のようなことを言うのですが、本当は(C)が原因だったりするわけです。 当然上司が(A)の対処をしたところで全く効果はありません。
さて、あなたならこんな部下、どのように対処しますか?
部下の本音を引き出すときに、会議の終わった後のタイミングが実は有効なんだとか…

部下の自己申告を鵜のみにせず、その奥底にある本音を引き出すことが需要

給与への不満の本当の原因を理解しない限り、上司としては対処を誤ることになる。つまり大事なのは、「部下の本音を引き出す」ことです。そのためにはいくつかのテクニックがあります。
まずは「できるだけ自然に1対1で会話できる状況を作る」。ねらい目は、会議が終わった後。あえて5分ほど早めに会議を終わらせ、本音を引き出したい部下にすっと近寄って「ちょっと○○さん、いいかな」と声をかける。
やってはいけないのは、1対1の面談にすること。あらかじめ時間をとって個室で話をするのは、本音を引き出すときには逆効果です(ちなみに本人のコミットメントを確認するときには有効)。
次に他の部下が会議室を出て1対1になったら、「最近、ちょっと元気なさげじゃない?」「今の仕事、楽しんでる?」などと、上司として部下を気遣っているフレーズを言います。たいていこの段階では「いや、大丈夫です」「なんとかやってます」と無難な答えで返す部下がほとんどです。このとき立って会話しているならば、机の角で斜めの関係(L字型)になるように座るよう促します。上司のあなたは、相手の左斜めに座るとベストです。
そして、手を机の前に軽くおいて、やや身を乗り出す感じで一言。「何かできることあれば、遠慮なく言って。聞くくらいしかできないかもしれないけど」と、上司としてちゃんと聞く準備があることを伝えます。
その後部下が「実は…」と話を始めれば、時間の許す限り聞くことに徹します。「わかる」「そうだね」とできるだけ肯定的な相槌ちが効果的です。
逆に部下が「いや、特に…」とまだ心を閉ざしているようなら無理に聞き出すことはせず「また話す機会作るから」と伝えてください。そうすることで部下の信頼のポイントが少しずつ貯まっていけば、しかるべきタイミングで本音を引き出すことができるはずです。
ただしこのテクニックは、部下とある程度“信頼関係が築けている”ことが前提です。また異性の部下だと、そもそも1対1になることが逆効果の場合もあります。
苦手な部下の場合はヘンなテクニックにおぼれると危険ですし、下手に本音を引き出そうとするよりも、公式な面談の場で本人の本気度を探った方がよいこともありますのでご注意を。
次回はレベル5「陰で悪口や噂話ばかりする部下」です。
取材・文/藤井大輔(『R25』元編集長)
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