東京一極集中が進むいまこそ、スナックに注目すべし第一回では「スナックの基礎知識」、第二回では「スナックの発祥」、第三回では「スナックに関するトリビア」について学んだ。
「『スナック』という名の愉悦」を最初から読むそして第四回、今回のテーマは「スナックからの地方創生」である。スナック好きが高じて2015年に「スナック研究会」(
http://snaken.jp)を立ち上げた首都大学東京の法学系教授・谷口功一氏の専門は法哲学。
そんな彼が言う。「東京一極集中が進むいま、スナックこそが地方創生の鍵を握っているんです」。
前回でも触れたように、谷口氏が生まれ育ったのは大分県は別府駅前の繁華街。家の周りにはそこらじゅうにスナックがあり、そこは地元の名士たちの会合場所としても使われていたそうだ。
「人生の半分以上を東京で過ごしていますが、自分はやはり別府の人間だという思いは変わりません」
ちなみに、「地方創生」とは第二次安倍政権が掲げた政策で、地方の人口減少に歯止めをかけ、日本全体の活力を上げることが目的。おもな目標のひとつとして、2015年時点で5万9000人だった地方の若者の雇用数を2020年までに30万人まで引き上げるとしている。
どんなに鄙(ひな)びた土地にも全国津々浦々スナックはあるでは、なぜスナックが地方創生につながるのか。安倍首相も気づいていない(?)谷口氏の論はこうだ。
「大都市で暮らしているとわかりませんが、地方では老若男女を問わず『スナックで飲む』のがふつうのこと。とくに前回ご紹介した、対人口比でスナックの軒数が多いエリアは、こうした文化がより深く根付いているといえるでしょう」
たとえば、北海道釧路市。「スナッカー」(
http://snacker.jp)に登録されている店だけでも226軒ある。同市の人口が約17万人で、大型ショッピングモールなどに押されて駅前が衰退していることを考えると、スナックの健闘ぶりはあっぱれだ。
「出張先では必ずスナック街を歩き回るんですが、どんなに鄙びた土地にも全国津々浦々スナックはある。これを地方創生の拠点として利用しない手はない」
都会では沿線でつながるが、地方では街の固まりとしてコミュニティが発達するという。顔見知りとして疑似家族体験ができ、先輩から地元のことを学ぶ場でもあるスナック。たしかに、スナックシーンの盛り上がりは街の活性化に直結しそうだ。
次回、第五回のテーマは「新世代スナックの登場」。いわゆる「ニュースナック」と呼ばれるす新潮流のお話です。
取材・文/石原たきび
「スナッカー」(
http://snacker.jp)のおすすめスナック Vol.3
水割り用の水はもちろん、すべてに水素水を使用(無料)!
「酒肴 love」
営:20:00~24:00
休:月曜、木曜
住:新潟県新潟市西区五十嵐2の町9143-249
電:090-5814-2930
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