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2018.05.27

時計

ヴィンテージデニムの目利きが認めた「ラドー」のクリエイティブマインド



他に先駆けてセラミックスを外装に用いるなど、時計界に革新的な風を送るラドー。その在り方は、各界で異彩を放つイノベイターと共通するものがある。5回にわたって、そんなイノベーターたちに「クリエイティブ」についてインタビュー。1人目は……


藤原 裕 Yutaka Fujihara
1977年、高知県生まれ。原宿の人気古着ショップ、ベルベルジンのディレクターを務める。’98年の創業翌年からショップスタッフとして参加。日々、店頭に立ちながら、豊富なヴィンテージの知識をベースに他ブランドとのコラボなども積極的に行う。休日は、長男にサッカーを教える2児の父でもある。


原宿の名店、ベルベルジン。その地下1階には、日本でも有数のヴィンテージが揃う。取り仕切るのは、ディレクターの藤原裕さんだ。これまで扱ってきたデニムは数知れず。豊富な知識と気さくな人柄で慕われ、今ではショップに軸足を置きつつ、ユニークなコラボレーション企画を積極的に行う。そのきっかけは、2015年刊行の『THE 501®XX A COLLECTION OF VINTAGE JEANS』。現存するヴィンテージのリーバイス501XXを体系化したファン垂涎の写真集だ。

制作に2年の歳月をかけたというデニム写真集。現在はGジャンを扱う第2弾を制作中とのこと。こちらも楽しみ。


「この本を出してからディレクションのオファーが増えました。執筆に関しては、歴史の分野を得意とする水戸の古着店、スマイリーの川又直樹さんに依頼。多くの人の助けを得て、良いものができたと自負しています。僕のデニム愛と人脈、20年のキャリアの集大成ですかね」

そんな彼が共感するのが、ラドーのハイパークロームの最新作だ。

「デニムもそうですが、ディテールからモノ作りの繊細さがうかがえます。サイドのブロンズパーツは、デニムのカッパーリベットと同じく銅がベース。経年変化にはひとつとして同じものがないので、いずれ出る味わいが楽しみ。また、傷つかないセラミックスと変化するブロンズを融合するセンスも好き」と称える。

「ドレッシーなシーンで着けたい“大人のアクセ”であるゴールドはもちろん、普段着けているシルバーアクセにも似合う。職業柄、着けている時計からお客さんの趣味嗜好を探る癖がありますが(笑)、ラドーを着けている人は、間違いのない目利きでしょうね」

そう語る藤原さんは、直近ではなんと自らの出身地である高知県とコラボレート。自身の知識と情報を基に、地元の偉人、ジョン万次郎がはいたと想定するデニムを再現してみせた。しかも120本限定販売(即完売!)するなど、古着ショップのディレクターという枠に収まらない。 好きなものに向き合い、形にしてきた実直な姿勢の藤原さん。腕元のラドーが、美しく輝いている。

ジョン万次郎が生きた19世紀後半の仕様をアレンジして「ジョン・マン」デニムを監修。「親交のあるウェアハウスの塩谷社長に連絡をして、製造を依頼しました」と、自身のデニム人脈をフル活用。発売から3日で即完売したそう。

ブロンズとともに歩む自分だけの経年変化
「ハイパークローム クロノグラフ オートマティック リミテッドエディション」


ハイテクセラミックスケース、縦45×横50.3mm、自動巻き。53万円/ラドー(スウォッチ グループ ジャパン 03-6254-7330)


先端技術の賜でありラドーを代表する素材、ハイテクセラミックスのケースサイドに、豊かに経年変化するブロンズパーツをあしらう。つまり、古代と現代、不変と変化といった相対する2要素を表現。ストラップには、同じく経年変化が見込めるレザーを採用した。ダイヤルに施された縦筋で、耐傷性をアイロニカルに伝える。世界999本限定。

 

[問い合わせ]
スウォッチ グループ ジャパン(ラドー)
03-6254-7330
www.rado.com


星 武志(エストレジャス)=写真(静物)
鈴木克典=写真(取材)
石川英治(Table Rock. Studio)=スタイリング

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