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2020.06.05

ニュース

これぞ最先端サステイナブル。着ない服を“アップサイクル”する、大沢伸一らの新プロジェクト

近年のファッション業界における重要なテーマのひとつが“サステイナブル”であるということは、たびたびオーシャンズでも紹介してきた。
その潮流をさらに加速させる手法として今注目されているのが、“アップサイクル”だ。
使わなくなったものをただリサイクル(再利用)するのではなく、新たな価値を付加して、より良いものにアップデートする。
[左]大沢伸一さん/音楽家。SHINICHI OSAWA、MONDO GROSSO、RHYME SO、ほかアーティスト・プロデュース、サウンドトラック、など多くの音楽プロジェクトを手掛けるほか、アナログレコードに特化したバー GINZA MUSIC BARもプロデュースしている。[右]平 武朗さん/2006年deserticを設立。Vintage Knitのアップサイクル Liquid Knit ParkaはCOMME des GARÇONSやKnoll textileで展開され、desertic patchworkはknit chair x EAMESチェアをプロデュースするなど、アパレルに限らずインテリアからプロダクトデザインも手掛ける。
音楽家として数々のプロジェクトを手掛ける大沢伸一さんと、deserticのデザイナー平 武朗さんが立ち上げた新プロジェクト「OFFICIAL GHOST(オフィシャルゴースト)」が、その火付け役となるかもしれない。

このプロジェクトの発端として大沢さんは、「たとえば音楽を作るとき、ソフトのテンプレートやプリセットからではなく、古いレコードなどから抜き出した音を加工して使ったりします。それと同様に『ものやこと』に手を加えて、まったく別の魅力に変えることが好きなのです。同時に、新しいものを消費していくだけでなく、既に誰かによって消費されたものをどうやってただのゴミにしないか? という考えでこのプロジェクトが始まりました」。
そう語る通り、公式オンラインショップには、リーバイスの名作モデル511にペイントを施した「IKB paint no.511」や、カーキのコーチジャケットを上からラバー塗料でペイントした「Bodyless Notes」など、回収された服をベースに独自のアレンジが施されたアイテムが並ぶ。
「IKB paint no.511」1万9000円/オフィシャルゴースト https://oghost.theshop.jp
素材としての服が持つブランドやストーリーに、別次元からのクリエイションが加えられ、新しい価値を宿す。廃棄されるはずだった服たちが、現役のプロダクトとして進化したのだ。オリジナルアイテムを除き、全てのアイテムは一点モノだという。
「Bodyless Notes」1万9000円/オフィシャルゴースト https://oghost.theshop.jp
オフィシャルゴーストの大胆かつアーティスティックなアレンジについて、大沢さんは「手法に関しては、お手本も何もなく、思いつきやインスピレーションでどんどん変化させて行くつもりです。たとえば、昨日ハンドペイントで塗った色が今日は気に入らない、だからその上に文字を書き加えるという具合に、クリエイションに終わりを設ける必要もないと思っています」と語る。
「GHOSTED SHOP CdG」3万円/オフィシャルゴースト https://oghost.theshop.jp
表現方法に限りがないように、アップサイクルの対象だって、服だけに限らなくていい。オフィシャルゴーストでは、今後ファッション以外にも「家具や道具、楽器やアート、何でも扱っていくつもりです」とのこと。
今はまだ小さな活動かもしれないが、アップサイクルは今後、大きなムーブメントになりそうな予感。服作りも世の中も、選択肢がもっと多彩になって面白くなるだろう。
[問い合わせ]
OFFICIAL GHOST
https://oghost.theshop.jp
[関連リンク]
OFFICIAL GHOST 公式Instagram
www.instagram.com/official_ghost_official/

大沢伸一 公式サイト
www.shinichi-osawa.com/
中山秀明=文


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