藤井隆行の視点。私的傑作批評 Vol.10
2021.01.22
LIFE STYLE

「妻へ、そして娘へ受け継げたら」と贈ったティファニーの目覚まし時計

「藤井隆行の視点。私的傑作批評」とは……

3年前、娘が中学生になってお弁当が始まり、早起きになった妻への誕生日プレゼントとして贈ったのがこの目覚まし時計でした。

妻はときどき自分の母親から服やアクセサリーをもらうのですが、彼女自身もいつか大事なモノを娘に譲るときがくる。それがティファニーの時計なら娘もうれしいだろうと思ったんです。

既に妻のコンバースのスニーカーやリーバイスのビッグEを借りている娘を見ると、これからはエターナルなモノを選んで贈ろうという気持ちになります。

この目覚まし時計は、名作として知られる腕時計「ティファニー CT60」のダイヤルをイメージしており、フォルムもダイヤルもレトロなデザイン。褪せることなく50年後も存在しそうだし、ティファニーなら50年後も修理してくれるでしょう。

そう考えると、ノンネイティブの服を着ている人が「それどこの?」と聞かれて「もうないんだよね」なんて絶対に言わせたくない。せっかく買ってくれる人のためにも、がんばって自分のブランドを続けていこうという気持ちを新たにします。

ティファニーの「ツイン ベル アラーム クロック」
H13×W10×D5cm 6万6000円/ティファニー(ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク 0120-488-712)

ティファニーの「ツイン ベル アラーム クロック」
腕時計「ティファニー CT60」のダイヤルをイメージ。ニッケルメッキの真鍮製で、ティファニーブルーの針がアクセントに。職人がハンドメイドで丁寧に仕上げたアートなタイムピースは、大きなツインベルがノスタルジーを誘う。

それにしても、デザインもレトロなら音もレトロ。ジリジリジリ〜ッと、まるで『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のオープニングシーンのような音が鳴るので、これならみんな起きてくれると思ったら、我が家は誰も起きずいつまでも鳴り響いています。

デジタル制御されていないアナログな音は、なんだかほっとしますが、最近は電話の音も車の音も、どんどん静かになっていますよね。

さらに時計も高性能なデジタルだと「時計が止まっていて遅刻した」なんて言い訳もできない。カメラだってデジタルならとりあえずたくさん撮っとこうと思いますが、アナログだと24枚とかを集中して撮るわけです。

そういえばレコードにそっと針を置くという行為も今となっては貴重。キャンプもそうですね。電気のある生活から離れてあえて不便な状況に身を置くのが心地良かったり。

温かみのあるモノにますます惹かれる今日この頃ですが、やはりいいモノは次世代に受け継いでほしいと願うばかりです。

 

[藤井隆行 プロフィール]
東京を代表するブランド「ノンネイティブ」のデザイナーで、ファッションからライフスタイルまで一貫したこだわりを持つ。最近のストレスは以前のように自由に海外に行けないこと。「しばらくは国内旅行かな。あまり知らない四国に行ってみたいですね」。

「藤井隆行の視点。私的傑作批評」とは……
世の中のありとあらゆるプロダクツから、「ノンネイティブ」藤井隆行さんが独自のセンスと審美眼でモノをセレクト。デザインとは? 実用性とは? 買い物の醍醐味とは? ブランド名や巷の情報に惑わされず、本当に自分に必要なモノと出会う方法を指南。
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竹内一将(STUH)=写真 町田あゆみ=文

# ティファニー# 目覚まし時計# 私的傑作批評# 藤井隆行
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