新しい風が吹いている。ここに紹介する徳田 凱くんを見ていてそう思う。
もちろん、これまでにも親子サーファーは多くいた。しかしこれまでと違うのは、彼の両親がプロサーファーやプロの世界での活躍を志したサーファーではないこと。アウトサイダーでもなく、学歴社会をきちんと歩んできた人物であるということだ。
それでいてライフスタイルとしてサーフィンを楽しみ、その背中を見て育った凱くんは、既に大会で上位入賞する力を備え、中学1年生にして「スタイルのあるサーファーになりたい」と口にする。
実際に多彩なデザインのショートボードに乗り、ロングボードにも興じる。波次第で使用ボードを変えるサーフィンライフを送っているのだ。
一方、6歳で始めたスケートボードではパーク種目における最高峰の舞台のひとつ「バンズ・パーク・シリーズ」をはじめとして世界を目指す。さらに冬にはスノーボードで雪山へ。
勉強も好きだというから、どうにも未来の姿が楽しみになるのである。
memo
現在13歳の徳田凱くんは湘南生まれの湘南育ち。会社員でサーファーの父、ボディボーダーの母のもと、幼少期からビーチをはじめとした屋外で多くの時間を過ごして育ってきた。
既に戦歴は多く、2019年には、サーフィンとスケートボードの2種目で競われる「ザ・サーフスケーターズ」の24歳以下クラスで総合優勝を果たした。憧れの存在には、サーフィンの実力もプロ並みのプロスケーター、カリフォルニア出身のカレン・ケープルスを挙げる。
熊野淳司=写真 小山内 隆=編集・文