2020.11.08
LIFE STYLE

住所非公開のシークレットサウナ。予約が殺到する贅沢空間の全貌

老舗銭湯が力の入ったリニューアルをしたかと思えば、テントサウナを取り入れたキャンプ場やホテルが登場したり。

今はまさに、第三次サウナブームである。

なにやら気になる看板の正体は、以下にて。

活況に比例して、人気施設の混雑ぶりもなかなかの状態だ。緊急事態宣言解除後、多くの施設がサウナ室のキャパを制限していることもあって、「サウナ満員、○時間待ち」の張り紙に出合うことの多いこと……。

最近、サウナ仲間と話すと、みんなこの状況には少なからず辟易している。そこでよく出るのが「混んでる人気施設に行くくらいなら、ありきたりでも空いてる銭湯のサウナのほうが良い」という意見。結局、いくら良い設備でも、マイペースにじっくりサウナを楽しめないのでは意味がないのだ。

そんな“こーの混雑からの、卒業”を多くのサウナーが求めていた矢先に、気になるウワサが駆け巡った。「ルーフトップ」「完全貸切」「住所非公開」、そして「最高の設備を備えた」会員制サウナができたらしい。しかも、都心のど真ん中に! それはつまり、高価なテントサウナを買って車で僻地まで行かずとも、仲間たちとパーフェクトな環境のサウナが味わえる、ということだろうか?

施設内での写真撮影を禁止しているとのことで、ネット上で調べてみても出てくる情報は少ない。

名前は「Rooftop37」というらしい。インスタグラム上では、訪れた人々が上げているエントランスの写真と「最高」「またきちゃいました(笑)」などといった感想のみ。これはもう、行かないことには全貌がわからない!ということで行ってきました。

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駅近の秘密基地、オープンしたら予約殺到

謎多きRooftop37があるのは、都内有数の繁華街のど真ん中にあるビルの屋上。駅から2分。立地とアクセスの良さは最高だ。

まず現れたのがバーカウンター。プライベート空間ゆえにBBQやパーティー、合コン、誕生日会に使われることも多いとのことで、シャンパンを何本も空けるお客さんもいるのだとか。

オープンは今年の7月。手掛けているのは「北欧のサウナ文化をモデルに日本にもスタイリッシュにデザインされたサウナ文化を根付かせたい」というコンセプトで、さまざまなプロデュースや制作を行うTTNE代表でサウナ師匠こと秋山大輔さんだ。

右が秋山大輔さん、左はTTNEメンバーでありDJとしても活動する伍堂英太さん。

緊急事態宣言が解除されて日が浅いタイミングの開店には、チーム内でもオープンを見送ろうという声もあったそう。しかし、秋山さんは「今だからこそ絶対に需要がある」と初志を貫いた。

料金は4万8000円(税込)〜。定員は6〜8名と決して安くない価格設定だが、今では予約枠を開放すると同時に埋まってしまう人気ぶりだ。

ロッカーナンバーはすべて「37(サウナ)」。ラッキーナンバーを仲間同士で取り合わないための粋な計らいだ
ロッカーナンバーはすべて「37(サウナ)」。ラッキーナンバーを仲間同士で取り合わないための粋な計らいだ。

「うち(TTNE)のファンは芸能系や富裕層も多くて、このRoofTop37のターゲットもそこ。彼らの中でプライベート空間のサウナを求める声がより高まっていたことは間違いなかったので、絶対にオープンすべきだと。

蓋を開けてみたら、意外と平日のほうが予約が埋まるんですよ。経営者のお客さんは平日の日中に来てくれる人が多い。ワーケーションみたいな使い方だったり、ここで会議をする方たちもいます。バーカウンターもあるのでパーティでの利用も多くて、シャンパン飲まれる人も」。

RoofTop37のテントサウナはロシア製。キャパシティは6〜8名。

新たな需要にマッチした形だが、さらに興味深かったのが「女子会で使ってくれた方たちもいましたね。メンバーにサウナ好きはひとりもいないのに(笑)。展示会で買った水着が今年はコロナで海やプールに行けないから、ということでサウナに行こうとなったらしいです」。

サウナストーブはフィンランド製で、もちろんセルフロウリュはし放題。
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オープンしてみたら予約殺到

ちなみに、屋外施設のサウナで気になるのが、水風呂。テントサウナでは簡易プールに水をためる方法が一般的だが、浴槽の水風呂以上に水温の調整やキープが難しい。

そこでRoofTop37が導入したのは、フランス製のアイスバスだ。

トライアスロンなどの競技でアスリートがアイシングのために使用するものだそうで、小型のチラー(冷却装置)を装備している優れもの。水温は0〜30度まで微調整可能で、通常は16.5度をキープしている。

水風呂後の外気浴で要となるチェアーも“サウナ師匠”こと秋山さんが選び抜いた海外製のものを置いている。

手前の黒いタイプは、師匠が「今まで座ってきた椅子の中でいちばん“整いやすい”」と太鼓判を押す。ロッキングチェアのように揺れる構造で、サウナ後に座ると無重力感覚を味わえるという。

実際に座ってみたが、肉体が未体験の解放感に包まれてうっとりとしてしまった。何より、スパなどでは良いチェアは争奪戦になるものだが、その心配がないという心の余裕が嬉しい!

本格的なストーンサウナ、キンキンの水風呂、そして極上のチェアから摩天楼を望む外気浴。申し分ない三要素を円滑に繋いでくれるのが、音楽だ。大型施設ではどうしても汎用性のあるBGMを用いざるを得ないところを、ここではTTNEスタッフでDJでもある伍堂英太さんが作ったプレーリストが最高の演出をしてくれる。

「アンビエントなトラックから始まって、サウナが2セット目、3セット目に進むにつれて音楽も上がっていくように組みました。ラストはノラ・ジョーンズが『蛍の光』的に終了の合図として流れます(笑)」。

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サウナ師匠の次なる野望

“サウナー”は本物志向のこだわり屋が多い分、仕掛けるほうも生半可なものは作れない。でも、そうした程良い緊張関係が、結果として世の中に広まる大きなムーブメントの原動力になっている。

今後秋山さんは、女性専用の完璧なサウナをやりたいそう。

「男性優位すぎる日本のサウナ市場へのカウンターであり、女性が整えば男性が、ひいては家庭が整う、という僕の持論を提言したい(笑)。男性が入れなくて悔しい!って思うくらいのものを作って、シーンを活性化したいですね」とのこと。

たかがサウナ、されどサウナ……。秋山さんの溌剌とした表情と肌ツヤは、サウナがもたらした汗と愛の産物に違いない、と感心せずにいはいられなかった。

 

谷川慶典=写真 三木邦洋=文 千野あきこ=編集

# RoofTop37# サウナ
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