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2020.10.29

ライフ

一期一会の波を求めて。海の心地良さを感じるフュージョンガラスの世界

さまざまなガラスを組み合わせて焼き上げ、個性的な作品に仕上げるフュージョンガラス。
うつわやペンダント、絵画的なプレート、オブジェなど完成形は多彩。色を組み合わたり、葛飾北斎の名画をモチーフに波をガラスのなかに閉じ込めたりといった表現もできる。
神奈川県・鎌倉市のガラス工房「ヨーナス・ガラス・ビジョン」のフュージョンガラス
「溶解炉に入れたガラスを1000℃以上の高温度で溶かしつつ、回し、吹き、形作っていきます。イメージとおりに作るには高い集中力が必要で、うまくフィニッシュできたときの高揚感は、ギリギリでチューブを抜け切ったときに似て気持ちがいいんです」。
というのは神奈川県・鎌倉市でガラス工房「ヨーナス・ガラス・ビジョン」を主宰する賀来ヨーナスさん。
サーファーでもあり、「色ガラスを使った場合は焼き上がるまで実際の色みがわからない一期一会の感じも、同じ波はひとつとしてないサーフィンそっくり」なのだという。
なかでも好きな作風は塊に仕上げたオブジェ。優美な曲線と透明感が水のような爽快さをくれるためだ。

memo
江ノ島電鉄の七里ケ浜駅から徒歩5分ほどの場所に工房はある。工房内には、波・海・自然をモチーフにした作品が並べられ、購入も可。フュージョンガラスや吹きガラスの体験もでき、日々、子供から大人までがガラス作品作りに夢中になる光景が見られる。
本人は、ガラス工芸の技法を学べる教育機関「東京ガラス工芸研究所」で基礎を学び、沖縄で琉球ガラスを学ぶなど、経験を積み技術を磨いていった。www.jonasglass.com

熊野淳司=写真 小山内 隆=編集・文


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