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2019.12.25

ライフ

物忘れしがちな人にはマストの知識! 失くしたiPhoneの探し方

iPhone再入門●子供の成長記録を収めたり、仕事のメールを確認したりと、もはや生活に欠かせないiPhone。しかし、そんな“相棒”の真価をぼくらは知らないかもしれない。Appleフリークが語ってくれた、読んだら誰かに教えたくなる知識の数々をお届けする。
置き忘れるiPhone
プライベートからビジネスまで大車輪の活躍をするiPhoneだが、気をつけたいのが紛失リスクだ。いまやiPhoneを失くすことは、生活の基盤を失うことにも等しい。もし買い替えとなれば、PCと同じくらい値段も張るものだから、経済的にも痛手だろう。
「iPhoneは肌身離さず持ち歩くもの。常に携帯しているからこそ、ふとした瞬間に落としたり、外出先で置きっ放しにしてしまったりと紛失のリスクもつきまといます。ですが、ご安心ください。iPhoneには数多くの優れた捜索機能が標準搭載されています」。
Appleフリークのライター・編集者であり、お坊さんとしても活躍する吉州正行さんに、大切な相棒を悲劇から守るためのテクニックを教えてもらった。

【教えてくれた人】吉州正行:Appleフリークのお坊さんであり、編集者。埼玉県でお寺の副住職を務めながら、さまざまなメディアや広告で制作業務を手掛ける。相続や遺産の問題にも詳しい。
 

紛失対策に抜かりなし。iPhoneの現在地を特定し、遠隔操作で画面ロック!

――具体的にiPhoneでは、どんな捜索機能を使えるのでしょうか。
機能はまさにてんこ盛りですよ。まず、GPSを利用してiPhoneの現在地を特定できる“追跡機能”。紛失したiPhoneをロックして他人が操作できないようにする“遠隔ロック”。遠隔操作によってiPhoneのデータを丸ごと消去できる“遠隔データ消去”。さらにはiPhone本体から音を鳴らして捜索を手助けする“サウンド再生”や、発見者とコンタクトを取るために別の端末からiPhoneへと電話をかける機能、紛失したiPhoneの画面にメッセージや電話番号を表示して発見者に知らせる機能などなど……。
――そんなに充実しているんですか!
ただ、ここで忘れてはならないのが、事前に設定が必要であること。といっても方法はカンタンで、「設定」→「ユーザー名」→「iCloud」と進み、「iPhoneを探す」をオンにするだけ。ほんのひと手間ですべての捜索機能を使えるようになるので、手遅れになる前に、設定を済ませておきましょう。
スクリーンショット
なお、「iPhoneを探す」だけでなく「最後の位置情報を送信」もオンにしておけば、仮に紛失したiPhoneがバッテリー切れになってしまっても、最後の位置情報をiCloudのサーバーへと自動的に送信してくれる。
――実際にiPhoneを紛失してしまったら、どう行動すればいいのでしょう。
まずはiPadやPC、あるいは誰かにスマホを借りるなりして、iCloudのウェブサイトにアクセスしましょう。そこでご自身のアカウントへとログインすれば、「iPhoneを探す」のアプリを利用できます。あとは必要に応じて各種機能を駆使し、捜索に役立ててください。
たとえば、追跡機能によってiPhoneが線路沿いを移動しているとわかれば、おそらく電車で落としたということ。逆に一箇所でとどまっている場合、その場所で落とした可能性もあれば、よからぬ人間の手に渡っている可能性もあります。
こうしてiPhoneの状況を掴みながら、次の一手を考えましょう。また、基本的にiPhoneを落としたら誰かの善意に期待しないといけませんが、不安なら「このiPhoneを届けてくださった方には1万円を差し上げます」なんてメッセージを表示させるのも手かもしれません(笑)。
吉州さん
――幅広い状況に対応できそうですね。
ただし、これらの機能を使えるのは、iPhoneの電源が入っていてこそ。電源がオフになると見つけ出すのは至難の業です。運よく警察に届けてもらえたとしてもiPhoneの紛失物は多いため、特徴的なケースなどをつけていなければ、ほかの端末と見分けるのは困難。すなわちiPhoneを紛失したら、そこから数時間が勝負になります。
――スピーディーな措置が明暗を分けると。
どうしても見つからなかった場合は、最後の手段としてデータの消去を行いましょう。これによりiPhoneは工場出荷状態になるので、大切なデータの漏洩などを回避できます。モバイルSuicaなどを利用している人は、無効化の手続きを行ってください。もちろん、警察に紛失届を出すこともお忘れなく。
そのほか、キャリアのサービスやApple Watchを活用してiPhoneを捜索する方法もおすすめなので、ご紹介しましょう。

「もっと知りたい!」①
「iPhoneを探す」が使えない……そんなときはキャリアにお任せ

SoftBankやau、ドコモなど、快適なiPhoneライフを支えてくれているキャリア各社。スマホの重要性が日増しに高まる昨今、どの企業もセキュリティ対策には力を入れている。紛失時の充実したサポート体制もそのひとつだ。
「SoftBankなら『紛失ケータイ捜索サービス』、auなら『位置検索サポート』、ドコモなら『ケータイお探しサービス』という紛失サポートを提供しています。これらはiCloudに紐づいたサービスではないため、『iPhoneを探す』の機能をオンにしていなかった人でも利用できるのが大きなポイント。キャリアごとに手続きの方法や、事前に加入するべきプランなども異なるので、まずは自分のキャリアのサービスをしっかりとリサーチしてみてください」(吉州さん、以下同)。

「もっと知りたい!」②
Apple Watchとの合わせ技で、さらに捜索がスムーズに

Bluetoothを通じてiPhoneと接続し、お互いの情報をリアルタイムでやり取りするApple Watch。この仕組みを利用したiPhone捜索テクもある。
「Apple Watchのホーム画面には、最初から『iPhoneを探す』というボタンが用意されています。これをタップするだけで、Bluetooth接続されているiPhoneからピコーンというソナー音風のサウンドを鳴らすことが可能です。iPhoneを自宅のどこかで置きっ放しにしたときや、荷物に紛れて行方不明になっているときは、ワンタップでサクッと見つけてしまいましょう。
また、iCloudの追跡機能によってiPhoneの現在地に目星をつけ、近くに着いたらApple Watchを使って音を鳴らすという“合わせ技”も。森などのアウトドアシーンでの捜索にも重宝しますよ」。

 
「多くの現代人にとってスマホの紛失は一大事。なかにはビジネスのコミュニケーションが取れなくなったり、財布を落としたかのような状態になったりと、同僚や家族にまでダメージを与える危険性もあります。紛失時をシミュレーションして対策を打っておくことは、現代のiPhoneユーザーに求められる当然のリスクヘッジではないでしょうか」。
iPhoneの紛失リスクを大幅に軽減してくれる捜索機能。むろん、リスクをゼロにできるわけではないが、ちょっとした設定ひとつで不測の事態に備えられるなら、やらない手はないはずだ。
【iPhone再入門】
Scene1.撮影/Scene2.フィットネス/Scene3.ドライブ/Scene4.緊急事態/Scene5.DIY
小島マサヒロ=写真 佐藤宇紘=文


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