iPhone再入門●子供の成長記録を収めたり、仕事のメールを確認したりと、もはや生活に欠かせないiPhone。しかし、そんな“相棒”の真価をぼくらは知らないかもしれない。Appleフリークが語ってくれた、読んだら誰かに教えたくなる知識の数々をお届けする。
DIYやアウトドアブームの今、週末がとにかく楽しみ! という40代も多いはず。そんなシーンでの必需品が、寸法を測るメジャー、方角を示すコンパスといった小道具たちだ。じつはそれ、iPhoneで代用できるものも多いと聞いたら驚くだろうか。
「私たちアナログ世代は、『ひとつの用途にひとつの道具』という考え方をするのが一般的ですよね。たとえば、モノを測るならメジャー、方角を知るならコンパス、水平になっているか確かめるなら水準器。ですがiPhoneには、これらの役割を1台でサポートしてくれる機能が、しかも標準搭載のアプリとして内蔵されています。DIYやアウトドアにおいても、iPhoneは優秀な相棒になってくれるんです」。
むろん、あえて道具を使うのもひとつの美学だが、機能性を重視するならiPhoneも選択肢になり得る。Appleフリークのライター・編集者であり、お坊さんとしても活躍する吉州正行さんに、iPhoneを身近な道具に変える裏ワザを教えてもらった。
【教えてくれた人】吉州正行:Appleフリークのお坊さんであり、編集者。
埼玉県でお寺の副住職を務めながら、さまざまなメディアや広告で制作業務を手掛ける。相続や遺産の問題にも詳しい。 対象にiPhoneをかざすだけ。長さ、角度、面積が早わかり
――DIYとiPhone。正直、もっとも無縁に思える組み合わせです。iPhoneに入っている「計測」というアプリに見覚えはないでしょうか。これを使用することで、iPhoneのカメラに映ったモノのサイズをあらゆる角度から計測できます。論より証拠、ここにあるオールドMac(古いマッキントッシュ)にiPhoneをかざしてみましょう。
iphone再入門
吉州さんがコレクションするオールドMAC、Macintosh SE/30に「計測」アプリを起動してかざすと……
ディスプレイのサイズを一瞬で計測。面積まで出るとは驚きだ。
――おお! ディスプレイの寸法があっという間に検知されました。
今回のように四角形のモノを映した場合、外周を自動的に切り取って、おおよそのタテヨコの長さと面積まで検出してくれます。
もちろん、四角形じゃないモノも計測できて、使い方はカンタン。まずは、中央に表示されている円を計測のスタート位置に合わせたら「+」マークをタップしましょう。そのままiPhoneを動かすと黄色いラインが伸びていくので、計測を終了したい位置まで移動させ、もう一度「+」マークをタップすればOKです。
――気になる寸法の精度のほどは……。
実際のメジャーや定規と比べるとやや劣りますが、私の体感値だとその誤差は1mあたり1cm程度。例えば、お店で見つけたインテリアが我が家に入るか調べたいときなど、おおよそのサイズを掴みたいシーンでは十分すぎる精度です。
また、実際のメジャーで測ると大きすぎて手間取ってしまうモノも、画面に映すだけで計測できるのはうれしいポイント。DIYの材料探しはもとより、物件の内覧などでも活躍すること請け合いですよ。
――計測アプリには「計測」のほかに「水準器」という機能もありますが、これは?
対象にiPhoneを密着させるだけで、傾きを計測できる機能ですね。DIYで壁に棚を取り付けたい、自作したラックが床に対して垂直なのかを確かめたい……そんなときに打ってつけです。
――なるほど。しかし、なぜiPhoneは物体の大きさを読み取ることができるのでしょう?
ちょっと込み入った話になりますが、iPhoneには本体の角度を読み取る水平器のほか、AR、すなわち拡張現実を実現するための専用マイクロチップが内蔵されています。これにより画面に映った世界を三次元的に認識し、大きさや広がり、角度などを精緻に測ることが可能です。
「計測」アプリはいわば、その技術の応用。ほかにもiPhoneにはDIYやアウトドアに役立つ裏ワザが満載なので、ご紹介しましょう。
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