2019.10.31
LIFE STYLE

ジョエル・チューダーが語る、5日間限定のポップアップショップに込めた想い

’90年代のロングボードサーフィンブームの火付け役として、大きな脚光を浴びたジョエル・チューダー。10代だった当時から「天才」と称されたサーファーが40代となって、次に仕掛けることは「東京でショップオープン」!?

どういうことか真相が気になったので、彼が拠点として家族と暮らす、サーフカルチャー豊かなカリフォルニア、サンディエゴ・ノースカウンティにある自宅を訪れた。そこで彼が話してくれたこと。

 

子供の頃に過ごした、いいサーフショップみたいな店を作りたかったんだ

’90年代のロングボードサーフィンブームの火付け役として、大きな脚光を浴びたジョエル・チューダー。
ジョエル・チューダー●1976年、米カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。15歳で現在のWSLの前身ASPのロングボード部門で最年少優勝記録を樹立。その後も数々の試合で活躍。舞踊のように優雅で軽やかなライディングスタイルが「The Seedling」などの映像作品で取り上げられ、’90年代のロングボード復興の象徴として人気に。「様式」「文化」「歴史」といった部分にサーフィンの本質を求め、それらを次世代へ伝える重要人物として業界で注目される。熱心な柔術家で、黒帯を所有し現在は指導者としても活躍。14歳と9歳、2人の男子のシングルファザーとして子育てにも励む。

「今回のポップアップショップの名は『JOEL’S MIDNIGHT COFFEE BAR』。僕らの今考えていること、見ているものをパッケージ化してみんなと共有できないか、と考えて実現した期間限定ショップなんだ。コーヒーショップはいろいろな対話をするのに素晴らしい場所であるということ。もちろんアムステルダムのコーヒーショップも人が集う形態だけれど、子供の頃にたくさん時間を過ごしたいいサーフショップをお手本にした、サーフカルチャーのアーカイブ的な場の実現を試みたんだ。

僕がまだティーンだった頃、Longboard Grotto Surf Shop(カリフォルニア・エンシニータスにあったサーフショップ。現在は閉店)は、早くから僕をスポンサードしてくれたショップだったけれど、オーナーが誰よりも先駆けてカリフォルニア屈指のヴィンテージボードコレクターとして、それらを店内に飾って販売しているような店だった。雑誌もいろいろあって、実際に店に足を運んではいろいろなものが見られる場所だった。僕にとってサーフィンの大学みたいな場所だったんだよ。

お金を払って購入する前に、見て体験できる貴重な場所。彼は古いボードを信じられないくらい安い値段で売っていたりもした。今振り返って考えてみると、どうしてあのとき買わなかったんだろう!と後悔するものばかり。彼もそのことは熟知していて、ヒントをくれるんだ。「その板がどれくらい価値あるものか君にもわかるよね?」とか。

でもそういう古いサーフボードコレクションが流行り始めると、彼は店をきっぱりやめてしまった。すごくかっこいい、独自のスタイルだと思う。そこにいなかった君にその価値はわからない、的なね。そういう店を作りたいと思ったんだ。つまり、そんないいサーフショップをお手本にした、5日間限定のポップアップショップってことなんだ。

ショップで展開するのは、まずTシャツとスウェットのコレクション。ニール・ブレンダーが2点デザインを考えてくれて、あとはミッキー・ドラ(50〜60年代にカリフォルニア・マリブで活躍した破天荒なエピソード溢れる伝説のサーファー)が描いた落書きのスカル柄もある。生前に雑誌の記事で掲載したものなんだ。ドラは僕が14歳のときにドナルド・タカヤマ(有名サーフボードシェイパー)とナット・ヤング(オーストラリア出身のレジェンドサーファー)が紹介してくれたんだ。

あと、ネオンサインをモチーフにしたプリントも。これはいろいろなアイデアの集結なんだ。今回の店名にもなった「コーヒーショップ」によくあるネオンサインで使われる書体を使って、それから男の鼻をへし折って僕の顔みたいに見えるように(笑)デザインしたんだ。ポップアップショップには、この柄と同じ本物のネオンサインを作って飾る予定。ほかには、スケートボードをドッキングさせて使えるボストンバッグとか、僕のサーフボードみたいなシンプルグッズを揃えたんだ。

あと、もちろんサーフボードも。僕はこれまでの人生を通してマリブからパイプラインまで、いろんな波に乗ってきて、サーフボードデザインと呼ばれるものを実際の波でとことん試し尽くしてきた。とにかく宿題は全部やってきた、という自信がある。サーフボードに何をするべきか、をよくわかっているつもりさ。

最近僕は、この15〜20年でエアブラシ(サーフボードの着色技法の1つ)のデザインの価値が見落とされていて、放っておいたら消えてしまう芸術に思えたんだ。だから、その職人たちにカラーリングしてもらった僕のボードをポップアップショップに並べて注目させたいんだ。白いクリアなボードが主流だった90年代に、僕らが色のあるボードに光を当てたようにね。それから、ここ数年さらに加速してるスリフティングをテーマにヴィンテージウェアとか雑誌とか、あと僕の落書きとかも並べるよ。

とにかく、サーフィンはカルチャーだから、その蓋を開けてみると勉強になることがたくさんあるってことを知ってもらいたいな。サーフィンに代わるアクティビティはなかなかないからね。テニスもスキーもいいけれど、場所代がかかるからなぁ。それに雪山は寒いし。フットボールにいたっては、誰がプレーしてると思う? バスケは? そういうスポーツをするのはプロにまかせておけばいいと思うんだ。

サーフィンは年を取ってもできる優れたアクティビティ。そこがほかとの大きな違い。老人ができるアクティビティでクールなものってサーフィン以外にあるかい? だから、サーフカルチャーの過去から未来への伝授を今まで以上に大切な自分の役割として考えているんだ。この店で、今僕らのやっていること、考えていることを感じてもらえたらとても幸せだし、僕にとっても貴重な体験だと思うんだ。

そうだ! あと、オープンが10月31日(木)だから、この店でハロウィンパーティも開かなきゃならないね」。 

ポップアップショップはここにOPEN!

東京・千駄ヶ谷のロンハーマン内にある、通称「R」コーナーに、ジョエルの自邸をイメージした内装でオープン。

東京・千駄ヶ谷のロンハーマン内にある、通称「R」コーナーに、ジョエルの自邸をイメージした内装でオープン。西海岸&サーフ好きならGO! 10月31日には、ジョエル本人とサンディエゴ・ノースカウンティの若手注目サーファー来日によるローンチパーティも開催された。

期間:10月31日(木)〜11月4日(月) 
場所:ロンハーマン千駄ヶ谷店「R」
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷2-11-1
電話番号:03-3402-6839

 

Max Beyer=写真(取材) 武藤 彩=取材・文 www.resincraftshop.com=撮影協力

# ロンハーマン# サーフィン# ジョエル・チューダー# ポップアップショップ
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