サタデーズのファウンダーが仕事前にボクシングジムに通う理由
片やサタデーズ ニューヨークシティのファウンダーでもありディレクター。片やベドウィン & ザ ハートブレイカーズのデザイナー。オーシャンズでもお馴染みである、ファッションシーンを牽引する男たちは今ともに打撃系格闘技にハマっている。
前回のベドウィン渡辺真史さんに続き、今回はサタデーズのモーガン・コレットさんのワークアウトタイムにお邪魔!
攻撃性やスタミナ、頭脳、優美さ……、すべてを求められることで成長する。

朝7時、ウォールストリートにある20年以上続くボクシングジム「チャーチストリートボクシングジム」を訪れると、ウォームアップしているサタデーズ ニューヨークシティのモーガンがいた。
壁中にボクサーのポスターが飾られ、ラスティックな雰囲気たっぷりのこの空間で、カーディオ、ウェイトトレーニングでカラダを温めたあとは、コーチとのマンツーマンでのスパーリング。横でグループトレーニングをしている人たちに活を入れるコーチの声がスタジオ中に響き渡るのも相まって、早朝だということを忘れるほどエネルギッシュな空気に包まれているニューヨークの朝だ。

モーガンは、ここチャーチストリートボクシングジムのコーチとの出会いによって5年前にボクシングを始め、それ以来、週3、4回のトレーニングを続けているという。
「初めて体験したとき、すぐにこれは特別なスポーツだと思ったね。これこそ僕が学びたかったものだった。ボクシングはチェスで使うような頭脳、バレーのような優美さ、そして攻撃性、スタミナなど、バランスのいい運動だと思う。自分にいちばん合ったエクササイズだと思ってるよ」。
すべてのスキルが揃ったボクサーになるためのいろいろなテクニックをミックスしたエクササイズを行うことにより、強さだけでなく、スピード、動き、メンタルのすべてを鍛えるようにしているそうだ。かなりハードなように思えるが、エクササイズをするのは仕事前の早朝だ。

「朝いい汗をかくことで仕事に集中できるし、エネルギッシュでいられる。一日をスタートさせるのにとてもいいエクササイズだ!」。
そう言ってエクササイズ後、颯爽とオフィスへと向かっていたが、そもそもモーガンにとってボクシングの魅力ってどんなものなのか。

「ボクシングのいいところは、常に自分自身を改善し続けることができるという点かな。どれくらい自分が頑張るか次第なんだ。特に自分よりも才能と経験のあるボクサーとリングに立ったときはもっと鍛えないといけないということがよくわかる。
そしてプロとリング上で戦って、自分が一生かかってもボクシングのマスターにはなれないと認識することもまた自分を謙虚にするし、より良くなろうとハングリーにもなれる。いちばん難しいのは、パンチを受けてもまだ冷静でいることだね!」。

肉体だけでなく精神的にも常に成長し続けることを求められるエクササイズをすることで、若々しさを保つようにしているというモーガン。トレーニングするカラダに必要で、エネルギッシュでいられるヘルシーな食事を心がけつつ、常に好奇心旺盛でいることもまたフレッシュでいるうえで重要なことだという。

「いつも自分の知らないことを学ぶようにしているよ。それが若くいられるコツだと思う。知りたいと思う気持ちや学び続けようとする姿勢こそが心身ともに大事だと思うよ」。

Church Street Boxing Gym
チャーチストリートボクシングジム
住所:25 Park Pl, New York, NY 10007 アメリカ合衆国
電話番号:+1 212-571-1333
http://csboxinggym.com
Omi Tanaka=写真(NY) 池田桃子=取材・文(NY) KEN IKEDA=コーディネート(NY)