OCEANS

SHARE

2019.03.27

かぞく

子供同士で喧嘩が勃発。オトーチャンの正しい対応法とは?

連載「オトーチャンの子育てコーチング塾」vol.6 
子供を持つ父親なら知っておきたいのが「子育てコーチング」という概念。子供の自主性や主体性を伸ばすと言われており、ママたちもこぞって学び子育てに取り入れているらしい。これは今すぐにオトーチャンも習得したい! ということで、『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』などの著者・熊野英一さんを講師に招き、オトーチャンのための特別子育てコーチング塾をスタート。
子供達
仲良く友達と遊んでいたと思ったら、いつの間にか喧嘩になっていてわが子が相手を叩いてしまった……。そんなとき、父親としてどう対応するべきなのだろうか?
相手の親も居合わせた場合、つい「お友達に謝りなさい!」と言ってしまうかもしれない。だが、これは好手ではないと熊野さんは言う。
善悪のジャッジを親がしてはならない
喧嘩する子供
ここで頭ごなしに叱りつけてしまうと「友達だって悪かったのになんで?」と、子供はショック受けてしまうという。お父さんは助けてくれないし、もしかしたら自分を愛してくれていないのかもしれない……とネガティブな感情を抱えてしまうのだ。
子供にもそれぞれ正義がある。お気に入りのおもちゃを取ろうとされたから叩いてしまったのかもしれないし、一生懸命作った積み木を崩されたのかもしれない。子供にしかわからないことがあるはず。親としてできることは、まずは「何があったの?」と子供の気持ちを聞き出すことだ。
教えるべきは「自分で解決しなければならない」ということ
子供
原因を聞き出したところで、善悪をジャッジするのでは親ではない。親が教えられることは、他者とイザコザを起こしてしまったときに、”自分たちで解決しなければならない”ということだ。
「そうだったんだね、ふたりとも話してくれてありがとう。でも君たちの間の喧嘩だから、お父さんがどっちが良いか悪いは言えない。ふたりで解決できる?」と問いかけてみよう。
仲直りできるかどうかは、子供の年齢や成熟度にもよるだろう。だが大切なことは、自分で話し合って解決する努力ができるように導くことなのだ。
アドラー心理学の「課題の分離」を知る
父と子
アドラー心理学では”課題の分離”といって、どこまでが自分の問題でどこまでが他者の問題であるか、しっかりと線引きすることを人間関係における重要な概念として定めている。
子供にとっては喧嘩も人間関係を学ぶ貴重な機会だ。とはいえ、わが子が友達を叩いて泣かしてしまったことは後ろめたい。だが、この感情は親の問題。体裁を気にして、親が無理やり子供に謝らせるようなことはしてはならない。そんなときは、相手の親に「うちの子がお子さんを叩いてしまって申し訳ありませんでした」と謝ればいい。
子育てをする中で、周りの目が気になることもあるだろう。だが親の役割は子供の自立をサポートすることだ。どんなときも、どんな投げかけをすれば子供が自ら考えて、選択し、責任を持って行動することができるかを最優先に考えて接することが大事だ。
自ら考えさせる方向に導くことができれば「怒る・叱る」というプロセスはなくなってくる。逆に言うと、子育てコーチングは、「怒る・叱る」を親自身がコントロールすることを学ぶツールでもあるのだ。
そうは言っても、子育てコーチングは1日にしてならず。子供に対する接し方を日々省察しながら、自らもコーチングする気持ちで取り組んでみてほしい。
 
株式会社子育て支援 代表取締役
熊野英一さん
フランス・パリ生まれ。早稲田大学卒業。メルセデス・ベンツ日本にて人事部門に勤務後、米国Indiana University Kelley School of Businessに留学(MBA/経営学修士)。製薬企業イーライ・リリー米国本社及び日本法人を経て、保育サービスの株式会社コティに統括部長として入社。約60の保育施設立ち上げ・運営、ベビーシッター事業に従事。2007年、株式会社子育て支援を創業、代表取締役に就任。日本アドラー心理学会 正会員。著書に『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』、『アドラー式働き方改革 仕事も家庭も充実させたいパパのための本』(ともに小学館クリエイティブ単行本)など。
連載「オトーチャンの子育てコーチング塾」
前回の「『考える力』を養うには『選択式クエッション』を。2歳半からできる子育てコーチング。」を見る


SHARE

次の記事を読み込んでいます。