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2019.03.23

あそぶ

釘打ちは知ってる、じゃあ”釘締め”は? スツール作りで学ぶDIYの基礎

連載「テクが手土産、日帰りDIY」
「Do It Yourself.」 第二次大戦直後にイギリスから始まった復興目的のムーブメントも、今や定番ホビーのひとつ。DIYテクニック習得を狙えるワークショップを開催しているスポットも少なからず存在する。未経験者からベテランまで、行けば必ず何かを得られるはず!

アンティーク風マルチスツール製作を教わる

さまざまなショップやクリエイターが集うレインボー倉庫横浜。多くのイベントを行うスペースなのは前回もお伝えしたが、4月21日(日)には、屋内・屋外問わず使い勝手のいいアンティーク風マルチスツール製作のワークショップを開催する。
今回は特別に当日と同じ材料、道具を用意してもらい、本番同様にレクチャーしてもらった。
小日向志乃さん
縫製・家具作りの職人であるスタッフ、小日向志乃さんが先生。ワークショップでのコーチ歴も長く、初心者でも安全かつ分かりやすく教えてくれる。
今回は特にDIYの基本である木材同士をつなぐ手段、釘打ちに関するテクニックに注目。電動ドリル、釘、金槌、釘締め。誰もが見たことはあるけれど、意外と不慣れな道具たちとの、上手な付き合い方がわかるはずだ!
利用するツール
ワークショップでは消耗品含め、必要な材料を提供してもらえる。電動ドリルや金槌などのツール類も貸してくれるから、手ブラ参加だって問題なし。
材料はレインボー倉庫で販売している、風合いの良い古材。個人でカットするのは難しいため、あらかじめ寸法通りのサイズに処理してある。ツール類もすべて借りられるが、軍手のシェアに抵抗があるなら持参を。
事前の穴開けで釘通しをスムーズに
ドリル
分厚い古材に釘を直接打ち込むのは、歪んだり割れたりと難易度高め。先に穴を開けておくのがベターだ。ドリルの刃は釘と同じ径か、少し細めを選ぶこと。
まず、釘が打ちやすくなるよう、2枚の横板に電動ドリルで垂直に穴を開ける。1枚につき左右3つずつ、計6箇所を貫通させる。固定先になる縦板を並べ、厚みを確認しながらやると間違いがない。的がズレないようにペンで印をつけてからでもいい。「不安定でグラグラしていると怪我をする恐れが。平らな場所にいらない板を敷き、その上で作業するのが理想です」(小日向さん、以下同)。

接着剤も使ってさらに強度アップ

接着剤
使う接着剤は少ないより多めがベター。はみ出た分は乾燥前に拭き取ること。
横板と脚になる縦板を釘で固定する前に、木工用の接着剤も噛ませる。より強度を高めるためのひと手間だ。

金槌は力まずまっすぐに振り下ろす

金槌の打ち方
金槌は大振りせずコンパクトスイングで。一発で強いインパクトを与えると、板が割れてしまうかも。
板同士の角をキレイに揃えてから、しっかりと押さえて釘を打つ。さほど力は入れずとも良いので、金槌をまっすぐ降ろすのに集中すべし。

”釘締め”が完成度を高めるポイント

釘締め
釘締めは釘に対して真っ直ぐに当てる。明らかに凹むほど打ち込むのはNG。
6箇所打ち終わったら釘締めを。釘締めと呼ばれる道具を釘頭に当て、その上から再度打ち込むのだ。これにより釘が深く板に入り、凸のない滑らかな表面に仕上がるわけ。「専門的に思えますが、それほど難しくはありません。マスターすれば強度だけでなく、見た目もレベルアップしますよ」。

正確な位置に穴開けして棚板をつける

ドリルの使い方
縦板に沿わせた板(左手の人差し指側の白い板)がメジャー代わり。もちろん、計測して高さを定めても構わない。
コの字型が組めたら、適度なサイズの板を縦板の内側に沿わせ、その上に棚板をセット。棚板の高さに合わせて、縦板へ横から穴を開ける。片側に3つ、両サイド合わせて6つ。「正しいポイントに穴が開くよう、横からちゃんと確認してからドリルを入れます」。

上下の板を同じように固定する

上下の板を固定
最初に穴開けした2枚の横板が天板と底板に。構造がシンプルなので、天地逆に使っても大丈夫。
棚板と縦板を釘で固定し、釘締めも行ったら、残った横板の固定。すでに行ってきたのと同様、接着剤を付けたのち6箇所釘打ちする。「土台がほぼ完成しているので、今までより簡単にできますよ」。

キッチリ釘締めしてフィニッシュ!

再びの釘締め
釘締めは、学校の技術科でも扱わない場合が多い。未経験者はこの機会でコツを掴むと良いだろう。
最後に釘締めを忘れずに。1 台のマルチスツールが完成するまでに、合計16箇所の釘処理を経験。電動ドリルや金槌扱いに自信がついたはず。
マルチスツール
無駄なデザインなしの無骨さが、古材の風合いとマッチ。屋内に限らず、アウトドアやガーデニングでもサマになりそう。
完成したマルチスツールはチェアとしてはもちろん、踏み台や棚にまでなる優れもの。単純ゆえに頑丈で、子供が乗っても心配無用だ。「棚板は一般的な雑誌が収まるサイズに設定しています。いろんなシチュエーションで活用してほしいですね」。
次回は、このスツールを一層アンティークな雰囲気に仕上げる、ワックス加工について指南いただく。
[ショップデータ]
レインボー倉庫(横浜)
住所:神奈川県横浜市南区山谷92
電話番号:045-516-5910(有限会社ティープラスター)
https://rainbowsoko.com/rent/yokohama/
山田裕之=撮影 金井幸男=取材・文


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