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2019.03.07

かぞく

アンガーマネジメントで「怒りんぼパパ・ガミガミママ」を卒業しよう

連載「オトーチャンの子育てコーチング塾」vol.3
子供を持つ父親なら知っておきたいのが「子育てコーチング」という概念。子供の自主性や主体性を伸ばすと言われており、ママたちもこぞって学び子育てに取り入れているらしい。これは今すぐにオトーチャンも習得したい! ということで、『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』などの著者・熊野英一さんを講師に招き、オトーチャンのための特別子育てコーチング塾をスタート。

つい子供をきつく叱りすぎたり、怒鳴ってしまうときがある。その後、後悔したり、気まずくなったりした経験は子育て中の人なら誰しもあるだろう。
前回前々回はコーチングの初手であり極意である「共感ファースト」の重要性を伝えたが、今回は自分の中にある”怒り”という感情の正体について考えてみよう。
 
怒りは二次感情。相手の一次感情を探ってみよう

熊野英一さんによると、怒りとは二次的に生まれる感情であり、その前には必ず一次感情と呼ばれるものがあるという。
怒りの元となる一次感情は「不安、心配、悲しみ、寂しさ、焦り、悔しさ、落胆」などネガティブな気持ちが挙げられる。例えばよくあるのがこんなシーン。小学生の息子が宿題もせずに、テレビばかり見ている。しびれを切らした妻が、テレビを消して「宿題しなさい!」とガミガミ怒る。
このときの妻の一次感情には、子供が落ちこぼれたらどうしようという”心配”から来ている。言い換えれば、子供を想うがあまりに怒りつながっているのだ。
 
怒りで制すると、恐怖に動かされるか反発するかの二択になる

父親としてビシッと言わなければならない局面もあるだろう。だが普段から怒りを持って子供を動かそうとしたり、感情を伝えてしまうと、良からぬ方向に転がって行く。怒りに対抗するには、防御や反発を使うしかないからだ。
「怒られるのが怖いから宿題しなきゃ……」とイヤイヤ宿題をしたり、宿題するフリをしたり、「宿題なんてしなくたっていいんだい!」と反発したり、何のために宿題をするのかという目的を見失ってしまうのだ。
「このままテレビばかり見てたら、宿題する時間なくなるよね? 宿題せずに学校に行ったら、◯◯くんが勉強についていけなくなるんじゃないか、心配だな」。
と伝えられたら、子供の反応も変わってくるはずだ。
一次感情を、素直に言語化することが大切

イラッととしたらまずは一次感情を探すこと。あー、コレコレ!と自分の中に潜む感情に気がついたら静かに伝える。そして、「共感ファースト」のコミュニケーションで相手の考えも聞いて、導く。
これが子育てコーチングにおけるアンガーマネジメントだ。
「大人だって、不安や寂しさ、心配や焦りなどの感情をうまく言語化できず、怒りで伝えてしまうことがありますよね。子供はもっと分からないものです」。
と熊野さん。親が一次感情を素直に口にすることで、子供も自分の一次感情との向き合い方も学ぶという。ちなみにこの方法、対妻にも使えることは言うまでもない。
なぜか妻がイライラしているときは、その下に潜む”本当の感情”に目を向けたい。
株式会社子育て支援 代表取締役
熊野英一さん
フランス・パリ生まれ。早稲田大学卒業。メルセデス・ベンツ日本にて人事部門に勤務後、米国Indiana University Kelley School of Businessに留学(MBA/経営学修士)。製薬企業イーライ・リリー米国本社及び日本法人を経て、保育サービスの株式会社コティに統括部長として入社。約60の保育施設立ち上げ・運営、ベビーシッター事業に従事。2007年、株式会社子育て支援を創業、代表取締役に就任。日本アドラー心理学会 正会員。著書に『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』、『アドラー式働き方改革 仕事も家庭も充実させたいパパのための本』(ともに小学館クリエイティブ単行本)など。
連載「オトーチャンの子育てコーチング塾」
前回の「子供は”マネの天才”?夫婦喧嘩をなくし、キレない子に育てる方法」を見る


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