2019.01.31
LIFE STYLE

ファッションのプロが“わざわざ通う”小さくてもスゴい4つの店

いいモノとのいい出合いが待つ店はどこにある? ググれば数万の検索結果が出てくるが、「選べないし時間もないし」というのが大人の本音。で、頼りになるのはやっぱり生の声。ファッションのプロに聞きました。「あなたの好きな店ってどこですか?」。

いろんな店が集まっている駅ビルやショッピングモールは、いつも我々の味方。ショップ間の移動はラクだし悪天候だってお構いなし。

一方で、利便性とはかけ離れたところにありながら、厚い支持を集めるショップもある。そこには大型のショッピング施設とは違った魅力があるだけでなく、そのほかのどのショップにも代えがたい何かがあるはずだ。

では、業界きってのファッションマスターたちが“わざわざ通うショップ”ってどんなとこ? ということで、ファッションのプロが推薦する、ちょっと行きにくくても通ってしまう価値のある名店とその理由を調査した。


①フィル ザ ビル マーカンタイル(恵比寿)
「モダンなヴィンテージスタイルが素敵で」通っちゃうんだよね

フィル ザ ビル マーカンタイル
ヴィンテージやアンティークなアイテムが魅力的なフィル ザ ビル マーカンタイル。ミニマルな色使いを基調とし、とても上品。

ITONAM Inc.代表・名村恒毅さんが「わざわざ通うショップ」として推すのは、恵比寿駅と広尾駅のちょうど中間くらいにある「フィル ザ ビル マーカンタイル」。どちらの駅からも徒歩で10分ほどかかり、決して好立地とは言い難いが……

現代的なヴィンテージスタイルを提案する、フィル ザ ビル マーカンタイルの店内。

名村「フィル ザ ビル マーカンタイルが服や店作りへ懸ける情熱は、全国のショップでもトップクラスだと思いますよ。まず、看板ブランドのフィル ザ ビルは、現代的なヴィンテージスタイルで大人の気持ちを昂ぶらせてくれます。

ヴィンテージのディテールを踏襲した、フィル ザ ビルのオリジナルアロハ柄シャツ。3万2000円/フィル ザ ビル 03-6450-3331

さらに、デザイナーの金田淳一さんはヴィンテージに造詣が深く、彼の買い付けてくるアンティークアイテムたちにテンション上がりっぱなし。スタッフの接客も魅力的で、かつて自分が描いていた理想郷を現実にした店だと思っています」。

フィル ザ ビル マーカンタイル
場所:東京都渋谷区恵比寿2-5-6
電話:03-6450-3331
営業:12:00~19:00(火曜定休)


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②ラウンダバウト(代々木上原)
「店内のレイアウトまで真似したくて」通っちゃうんだよね

ラウンダバウトのキッチン廻り&雑貨エリア。ほかにもアパレルや雑貨が揃う。

アーバンリサーチのプレス・中山慶人さんがわざわざ通うショップは「ラウンダバウト」。もともとは吉祥寺の人気雑貨店だったが、2016年に代々木上原へと移転。移転先の選定には四苦八苦して、ようやく現在の場所に落ち着いたそうだが……

中山「吉祥寺にあった頃から通ってます。当時は吉祥寺自体が“わざわざ行く場所”でしたけどね(笑)。ラウンダバウトではキッチン廻りのモノや生活雑貨をよく買うんですが、実はほかの店でも取り扱いがある商品だったりもするんです。それでも、ここで買ってしまう。なぜなら、店主の小林和人さんのセンスが大好きだから。

ラウンダバウトの店主・小林和人さん。アイテムのセレクトから店内のディスプレイまで一手に担う。

店に行くたびにレイアウトを参考にして、自分の部屋づくりに活かしています。ほかに用事もないのに代々木上原まで出向くのは、わざわざ行かなければ味わえない空間がそこにあるから。そして、穏やかで素敵な小林さんに会いに行きたくなるからです」。

ラウンダバウト
場所:東京都渋谷区上原3-7-12
電話:03-6407-8892
営業:12:00~20:00(火曜定休)

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③スリー(三軒茶屋)
「25時まで営業で普通じゃない古着もあるから」通っちゃうんだよね

状態のいい古着が並ぶスリーの店内。ヨーロッパのメゾンブランドのものも並んでいる。

三軒茶屋にある古着屋「スリー」を行きつけのショップとするのは、キート/ミスターエブリデイズのディレクター・武田裕二郎さんだ。三軒茶屋と言えば、「住みたい街ランキング」で常に上位に食い込む街。だからこそ、洋服屋が軒を連ねるようなイメージもないのだが……

武田「古着が好きで、かつては古着屋で働いたこともあるのですが、ここは品揃えがほかとは違います。一般的に古着=アメカジのイメージが強いと思うんですが、ここはトレンドのツボをしっかり抑えているんです」。

サラッとディスプレイされているニットも某メゾンブランドのもの。

武田「デザイナーズ古着が多く、状態のいいモノも多い。そして少しだけセレクトもしていて、それがまたなかなか見かけないレアなブランドだったりするんですよ。その時々の気分との相性がすごい良くて、見ているだけでも楽しい。しかも25時まで営業してるので、平日、仕事帰りに立ち寄れるってのも大きな魅力ですね!」。

深夜出入りが耐えないスリー(建物の2階)。スタッフたちの好感度も高く、客の滞在時間も長い。

スリー
場所:東京都世田谷区三軒茶屋1-7-12 2F
電話:03-5431-3832
営業:17:00~25:00(土・日曜、祝日は15:00~24:00)

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④ザ モット ハウス トーキョー(千駄ヶ谷)
「本物のニューヨークを味わえるから」通っちゃうんだよね

千駄ヶ谷駅から歩くこと10分。スマホの地図を頼りにしていても、幅3メートルほどの小さな建物はともすると気付かず通り過ぎてしまう。目印は軒先にある花。その横に緑の扉があれば、それが「ザ モット ハウス トーキョー」だ。この小さな店にわざわざ通い詰めているのが、NYブランドのケイト・スペードでプランニングを務める山本大佑さん。

山本「仕事柄、頻繁にNYへ行くんですが、この店にはとってもニューヨークを感じるんですよね」。

それもそのはず、現在のニューヨークカルチャーの立役者アンディ・スペードが手掛けるスリーピー・ジョーンズをフルラインナップしていたり、ニューヨークでストリートスナップを続けるモデカイ・ルビンスタインが関わっていたりと、かの地のリアルを知る面々が関係者としてずらり顔を並べているから。

ザ モット ハウス トーキョーに関わるクリエイターの相関図。
ザ モット ハウス トーキョーに関わるクリエイターの相関図。見る人が見れば「おお!」となる面々。

山本「元同僚や友人など、同じ価値観を持ったニューヨークデザイナーたちが集まって好きなことをやっている感じがいいんです。僕はいつもスリーピー・ジョーンズをチェックしたあと、軒先に併設されている花屋ヴェインで、ちょっとしたグリーンを買って帰ります。あとは気の利いた小物もあるんで、ギフトに困ったときの駆け込み寺にもなってますね(笑)」。

「Do Not Disturb」っていいね。8000円/スリーピー・ジョーンズ(ザ モット ハウス トーキョー 03-6325-2593)
ヴェインでの花束例。甘い感じじゃないのが好みだとか。

ザ モット ハウス トーキョー
場所:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-27-8
電話:03-6325-2593
営業:12:00〜19:00

eコマースも発達して何かと便利になった世の中だけど、買い物って移動も含めて楽しかったりもするわけで。

ここで紹介した店は、きっと買い物本来の面白さを改めて思い出させてくれるはず。ぜひ一度、足を運んでみては?


谷本春幸=取材・文

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