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2018.06.05

ライフ

「海には不思議と自由な時間が流れている」内野徳昭さんが海を目指す理由


海は広くて大きいから、目指す人たちの理由も十人十色。そこで知りたくなったのは、まっとうな大人の男たちが、なぜそんなにも熱心に海を目指しているのか、ということ。各人バラエティに富んだ話から、共通していることがあった。それは幸せそうな笑顔を見せて楽しい人生を歩んでいるということ。皆さん、海を目指して、何かいいことありました?


海を愛する男たちに、海を目指す理由を聞くこの連続企画。第4回となる今回は内野製作所 代表取締役・内野徳昭さんに話を伺った。




内野製作所 代表取締役
内野徳昭 さん(57)
うちののりあき●創業91年の、内野製作所を経営。精密歯車技術では、4輪、2輪の試作車用駆動系から、F1やインディーカー、MOTO-GPのレース用までほかの追随を許さない。外資系オイル会社勤務を経て、家業を継いだ。


「海には不思議と自由な時間が流れている」


夏場になると、特別な予定がない限り毎週海を訪ねます。三浦半島の突端付近にあるマリーナから船を出港させるためです。自艇は40フィートのセーリングボートと50フィートのパワーボート。セーリングも、ボーティングも、両方キチンとこなす人は、日本では少ないと思います。とにかく舵を握るのが好きなんです。

学生時代から、いつかはボートオーナーになって自分で操船したいと思っていて、船なんて買えもしないのに、毎年ボートショーに行ってました。当時のボートショーはとても夢があって、船とキャンピングカーを持って何にも縛られないで自由に行動するスタイル提案などは、とても憧れましたね。

しかし、仕事で成功しないとクルーザーを所有することなどできるわけがない。だから「いつか大海原を自由にクルーズできる暮らしがしたい」という一心でとにかく働いてきました(笑)。

内野さんが所有するセーリングボート。艇名は「GOSHAWK/オオタカ」。夏には、大島、新島、神津島などまで遠征。他艇でクルーとして鍛えられたのち、自艇のオーナーとなった。


会社勤務を経て父の会社を継ぎ、仕事が落ち着いてきたのを見計らい、5年ほど前に念願のボートオーナーとなりました。37フィートのセーリングボートで、前オーナーが4年ほど乗っていた中古艇。タモリさん主催で知られたレースのオープンクラスで優勝したこともあります。

もうそこから船の虜で、もっと速いセーリングボートが欲しくなって40フィート艇に買い替え、同じ頃、試乗会で出会った36フィートのパワーボートも勢いで購入。

さらに最近パワーボートは50フィート艇に買い替えました。普段は、クルマやバイクのレース用エンジンパーツなどを製作する会社を経営していて、今も「自由」とは程遠い暮らしです。旧いフォーミュラカーのステアリングを握ってアマチュアレースに参戦したり、ゴルフをしたり、冬はスキーもやります。

でもなぜでしょうね、海での遊びははどんな遊びとも比べられない特別なものなのです。不思議と海には自由でゆったりとした時間が流れているのです。結局、僕はそんな時間を求めているのかもしれません。海に。

 

鈴木 勝=写真

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