2018.05.26
LIFE STYLE

スマホから本格カメラに進むなら、知っておきたい5つのこと

スマホとSNSと、イイ写真 Vol.13
誰もがスマホで写真を撮れて、SNSにアップできる時代。満喫しているオッサン世代も少なくないハズ。そこで、デジタルフォトライフをさらに充実させるためのテクニック&マナーをご紹介。ちょっと耳の痛い話もあるかもしれないけど、知っておいて損はありませんよ!

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InstagramやTwitterにアップした写真にもっと「いいね」をもらいたい! スマホカメラの画質も毎年性能アップしてるけど、やっぱりミラーレスや一眼レフ機の画質にはかなわない。「インスタのこの写真って絶対にスマホじゃ撮れないよね」……薄々そう感じ憧れているSNSユーザーは少なくはないことでしょう。

また、近々家族旅行や子供の運動会といった一大イベントが控えているパパも、「思い出を綺麗に残すのにスマホカメラでいいのだろうか」と疑問を抱いているのではないでしょうか?

ここはいっちょ奮発してカメラを新調しよっかな! という気分にもなろうものですが、この分野に詳しくないと一発で正解を導き出すのはどだい無理な話。

そこで10人のプロカメラマンにヒアリング調査。「スマホカメラユーザー(初心者)が1台目に買うべきカメラ」の選び方を考えてみました。

 

■選び方Point1
ボディだけでも予算は最低5万円欲しい!

では、多くの人が気になる予算の問題を切り口にして順にご説明いたしましょう。まず、なにより大事なのは「本体だけでも予算は5万円以上は欲しい」ということ。

例えばネットで「4万円以下のデジタル一眼カメラ」を検索してみると、実売価格では2017年秋発売モデルのキヤノンEOS M100のボディ程度しかなく、残りはのきなみ2年以上前の機種ばかりだからです。中身はほぼコンピュータなデジタルカメラは、スマホ同様に本体が年々アップデートされるケースが多く、最新機種であるほど起動や連写が速かったり、画像処理や使い勝手が向上します。とりわけミラーレスやコンパクトデジカメの世界でここ数年起こっているのが、オートフォーカス速度と精度の大幅アップ。これによりピントがモタついたり、そもそも合いにくかったりした問題が一気に解決されました。そのため「なるべく最新機種」をオススメするのです。

 

■選び方Point2
予算5万円以下なら変わり種もアリ!

ならばと頑張って「5万円以下」で探してみましょう。2年ほど前のモデルを中心に標準ズームレンズが付いたレンズキットがいくつか見当たりますが、悪いことはいいません。断言しても良いですが、最初こそスマホカメラより写りが違う!と感動しても、付属の暗いレンズでは撮りきれないシーンがあることを思い知り、徐々に不満が募って持ち出すことが激減するからです。結局スマホカメラに戻ってしまうか、新たにカメラかレンズを買い直さなくてはいけないハメに。つまりその5万円は勉強代として消えるのです。

予算5万円以下なら、いっそデジタル一眼カメラの画質は捨てて、GoProのようなアクションカムや、THETAのような全天球パノラマカメラ、オリンパスTGシリーズのようなタフ系のコンパクトデジカメ(以下コンデジ)、またセンサーサイズが1インチに迫る高級コンデジの旧機種や20倍以上の高倍率ズームコンデジなどなど、「スマホカメラでは絶対に撮れない一芸に秀でたカメラ」を選んだほうが幸せになれるでしょう。

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■選び方Point3
レンズは「明るい単焦点」が基本!

予算を捻出できるのであれば、入門モデルでも良いのでここ1年以内に発売されたミラーレス(念のためオートフォーカスの速さをチェックしましょう)かデジタル一眼レフの本体だけを購入します。

調べてみると、2月に発売されたばかりのミラーレス・キヤノンEOS Kiss Mボディ(ネット実売価格6万円強)や、入門用デジタル一眼レフカメラとして必要十分なキヤノンEOS Kiss X9ボディ(ネット実売価格5万円強)など、ネットで高評価なモデルもちらほら。他にも選択肢はありますが、評価がかんばしくなかったり、レンズの種類が豊富ではなかったりするので割愛します。

EOS Kiss X9 実勢価格:5万5000円/キヤノン http://cweb.canon.jp/eos/
EF-Sレンズはもちろん、フルサイズ機用のEFレンズも使える。

そこに組み合わせるのは、「F2.8以下の明るい単焦点レンズ」がオススメ。単焦点レンズというのは、ズームができないレンズのこと。そのメリットは、撮影できる範囲(画角)が決まっているため、さまざまな画角をフォローするため複雑な構造のズームレンズに比べて「明るい」レンズが多く、しかも「安く」手に入りやすいところです。

レンズが明るいと、背景がボケた美しい写真や隅々にまでピントがあったシャープな写真が撮れるほか、夜や室内といった暗い環境でもノイズが少なくしっかりと写り、またスポーツなどの速い動きも撮りやすくなります。

その明るさの目安となるのが“F値”で、一般的にF2.8以下からが明るいレンズといわれ、なかにはF1.2、F1.4というとんでもなく明るいレンズもあります。明るいレンズの画質の良さは、自分の腕があがったのかと勘違いするほど。ぜひショールームや家電量販店などで体感してみてください。筆者も初めてF2.8の単焦点マクロを買った時は写りの良さにビビりました。

なにげないテーブルフォトもこのシズル感!

 

■選び方Point4
明るい単焦点レンズは50mmがオススメ!

そのうえで、どれくらいの範囲が撮れる単焦点レンズ(焦点距離といいます)を選ぶかという問題ですが、プロカメラマンたちに「1本だけ単焦点レンズを選ぶとしたら?」という質問をぶつけた結果、もっとも多かった答えが50mm、次いで35mmでした。

どちらも標準レンズと呼ばれる焦点距離。ちなみにiPhoneのレンズはおおよそ28mm(35mmフィルム換算。以下同)とワイド寄り。レンズが2つ付いているiPhone PlusやiPhone Xのズームレンズ側は倍の46mmと50mmレンズに近づきます。で、「写ルンです」が32mmとこちらは35mmより若干広めに写ります。これでだいたいどの範囲が撮れるかがわかるでしょう。35mmか50mmかは好み次第ですが、せっかくスマホカメラと差別化するのであれば50mmがオススメ。焦点距離が望遠に近づくにつれ、人や物のカタチが本来のフォルムで写るからです。

画面いっぱいにマグカップが収まるよう、左から28mmレンズ(iPhoneカメラ相当)、35mmレンズ、50mmレンズで撮って比較した写真がこちら。焦点距離が大きくなる=望遠になるつれマグカップ本来のかたちがキチンと出ることがわかります
ひどい作例ですが同じ場所から、左から28mm(iPhoneカメラ相当)レンズと、35mmレンズと、50mmレンズで撮り比べた写真。より撮りたいものが伝わるのが50mmの利点です

また、これはあるカメラマンから聞いたことですが、「撮影とは風景を切り取る行為だから、画角が狭くなれば狭くなるほど写真家が狙った『テーマ』や『撮りたいもの』『個性』が伝わる」というご意見も50mmを推す理由です。確かにすべてを記録したければ全天球カメラを選べばいいわけですしね。

ちなみに、料理写真はじめ花やペットなどに近づいて撮りたいという方は、最短撮影距離が短い(つまり被写体に寄れる)マクロタイプの単焦点レンズをチョイスすると良いでしょう。確実に飯テロ写真が撮れます。

そして明るい単焦点レンズはだいたい1本5万円以下で手に入るケースが多いのです。とはいえ、これでカメラ撮影に味をしめ、異なる焦点距離の各種単焦点レンズ、よりズームができる「明るい」望遠レンズ、より広い範囲を撮影できる「明るい」レンズ、広角から望遠まで1本で済ませられる「明るい」ズームレンズ……ともっともっととレンズが欲しくなる「レンズ沼」へと陥るきっかけともなるため、カメラマニアのあいだでは「撒き餌レンズ」とも呼ばれています。

ちなみに餃子カットを撮ったのがソニーα7Sと50mmの単焦点マクロレンズSEL50M28の組み合わせ。

 

■選び方Point5
予算総額は10万円。実はけっこうオトクかも!?

結論を述べますと、「予算総額10万円で、なるべく最新のミラーレスor一眼レフカメラの本体と、F2.8以下の明るい単焦点レンズ(35mmフィルム換算で35mmか50mmあたり)を選びなさい」です。

ともあれ10万円あればSNSでいいね!をもらう写真が大量に撮れるうえ、家族の思い出写真が美しく残せること請け合い(運動会だと200mm以上のズームレンズが必要になるかもしれません)。さらには雰囲気のある美しい動画だって撮れちゃう、といろんなシーンで活躍してくれることでしょう。騙されたと思ってぜひお試しを。“撮影する”という行為自体が目的になるほど、カメラライフが充実するはずです。

熊山 准=文

# カメラ# スマホとSNSと、イイ写真# レンズ
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