OCEANS

SHARE

2018.05.04

ライフ

30年後に笑うための“マネークエスト”。30代こそ貯蓄を始めるとき!

37.5歳から旅立つ、マネークエスト Vol.1
誰が言ったか知らないが「人生はゲームみたいなものだ」という名言がある。確かに、人生なんて、リアルなRPGみたいなものかもしれない。実際、RPGも人生も、お金は大事だし……。この連載では、人生に困らないだけの「お金」を手にする方法を身につけるためにクリアしなければいけないミッションを「マネーRPG」と命名。マネー賢者の元へと修行に赴き、お金に困らないためのスキルを身につけていく。37.5歳、まだまだ遅くない。いざ、旅立ちのとき!
なぜ貯める? なぜ使っちゃいけない? 服、クルマ、家具、ガジェット……溢れる物欲に負け続けた我々の内なる声である。わかっちゃいるけど貯められない。貯めようと思うとストレスが溜まる。でも、「貯蓄」する意義を知れば、その意識はきっと変わるはずなのだ。というわけで、はじめのミッションはコレ。

 

自分はどのレベル? 同世代の金融資産の平均は……

まずは、隣のあいつはどれくらい貯めているのを知ることで、自分の資産レベルを知ることから始めよう。
金融広報中央委員会が行った「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2017年)」によると、年収500〜750万円の30代が保有する金融資産の中央値は320万円。ちなみに、金融資産なしは16.9%、一方で1000万円以上も14.6%存在した。ここには、貯蓄だけなく、株や投資信託なども含まれているが、ある程度の目安にはなるだろう。あなたのレベルは、どれくらい?
なかには「40代、50代になったら、自然とお金は貯まっているでしょう」と気楽に考えている人もいるかもしれないが、それは甘い。住宅購入や子供の成長などのライフイベントで出費は増加。むしろ、金融資産がない世帯は29.2%に増えている。厳しい言い方をすると、30代で貯蓄癖が付いてなければ、40代50代でも貯蓄できない可能性が高いのだ。
 

「お金は楽しく使ってなんぼ」。その本当の意味は?

この流れでいくと、つい「老後破産の危機」などと煽りたくなるのがメディアだが、そんな風潮に警鐘を鳴らすのが、今回のマネー賢者であるファイナンシャルプランナーで晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドさんだ。ここで、最初のキーワードである「お金は楽しく使ってなんぼ」という言葉を頂いた。

「ファイナンシャルプランニングとは、つきつめると“今使うお金”と“将来使うお金の仕分け作業”です。将来使うお金のことを貯蓄と呼びます。今は人生100年時代です。自分の人生設計を組み立てたときに、いつ、どんなお金を使うのかを整理することから始めましょう」とカンさん。
人生設計やお金の整理と聞くと、なんだか面倒な感じもするが、カンさんからは「お金というフィルターを通すと、家族の将来が具体的にイメージできるようになります。それこそが、貯蓄や資産形成の第一歩」というアドバイスがあった。ここで、具体的な教育費や住宅購入費を計算し始めたあなた。残念ながらゲームオーバーだ。
「○○に××万円かかるから、必ず貯めなくてはいけないというモチベーションでは、失敗することが多い。老後にかかるお金を試算したいという人もいますが、30年も先の話は不確定要素が多すぎて、リスクを勘案していたらキリがありません」。
真面目な人ほど、用途別に必要なお金から逆算して月々の貯蓄額を決めたり、将来のリスクに対して手厚い貯蓄をしたりしてしまい、結果的にうまくいかなくなるケースが多いという。
「もっと単純に考えていいのです。とりあえず、用途やリスクを考えずに、貯蓄をしておいて、必要なライフイベントに応じて出費すればいい。お金に色はないのですから、使い方はあとから決めればいいのです」とカンさん。このアドバイスを聞くと、自分でも貯蓄が始められそうと思う人は多いだろう。


2/2

次の記事を読み込んでいます。