2018.04.07
LIFE STYLE

ひとつの波に乗れるのはひとりだけ 〜One Man One Wave〜

ただくつろぐだけでも気持ち良い時間を過ごせ、サーフィンをした瞬間に人生は大きく変わってしまう。ひとつのシーンからそんな海の魅力を発見していくコラム。

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今回は「One Man One Wave」

2月初旬なのにサンフランシスコの日中は摂氏20度超え。快晴で波もあるとなれば、ビーチサイドはサーファーで溢れる。と思いきや、沖を見ると、サーファーはグッドウェーブの狭間にちらほらといるだけだった。「今日はスーパーボウルサンデーだからな」。路上で着替えるローカルサーファーは理由を教えてくれ、「おかげで誰かと波を奪い合うことなく、乗りたい波に乗れたよ」と満足した表情を見せた。

ダウンタウンから30分ほどのオーシャンビーチは都市型サーフビーチ。コンディションの良い日は多くのサーファーで賑わう。その日が休日ならなおのこと。今日1番の1本をめぐって、波を取り合うこともある。しかし本来のサーフィンは誰かと競い合うものではない。向き合うのは沖に居合わせたサーファーではなく、波そのもの。そして、その波に乗ることで生まれた感情こそが大切なのだ。つまり、先のローカルサーファーの言葉と表情には、サーフィンの本質が表れていたのである。

1本の波に乗れるサーファーはひとり。これは世界共通のルール。無論、サーフィンが生まれた頃にはなかった。サーフ人口が少なく、誰もが思い思いにサーフィンの本質である「波に乗る楽しみ」を享受し、周囲のサーファーと共有できる状況があったためだ。またスーパーボウルサンデーとは、アメリカンフットボールのプロリーグ(NFL)の年間チャンピオンを決める1戦。米国内だけで1億人以上が視聴する、アメリカ最大のスポーツイベントである。

森滝 進(MAKIURA OFFICE)=写真 小山内 隆=編集・文

# seaward# サーフィン
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