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2017.12.05

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ママが急に怒り出したとき「女のヒステリー」で片づけてはいけない


パパは家事も育児も一生懸命やっているつもり、ママにも最大限気を使っているつもりなのに、なぜかママがいつもイラっとしている。そんな夫婦間のギャップの原因を、ママ目線から解説するこの連載。今回は、男性からよく聞く「女性は急に怒る」を、女性の立場から解説してみたいと思います。
「自己評価の高いパパ」と「いつも何かが不満なママ」を最初から読む

「女は急に怒り出す」というけど実は「急に」ではない
よく周りの男性から「女性は今まで普通に会話をしていたと思ったら急に怒り出すことがある」とか「女はすぐに感情的になるから困る」なんていう声を耳にすることがあります。確かに、普段はあまり自分の感情を表に出さずに振舞っているのに、ある時急に、溜まった怒りが器から溢れるかのごとく怒るというママもいると思います。しかし、ママが急に怒る時には、それなりの理由があるのです。
本や雑誌などのデザインの仕事をしている美帆さんは、仕事が立て込んでしまった時、パパの前で急に泣いてしまったことがあったそうです。
「仕事がかなり立て込み、そういう時に限って子どもが病気になったりして、もう家のことも仕事も、気づいたら回らなくなっていて。その時は、はたから見ても明らかにイライラしていたと思うんです。夫にもいつも以上に家事を手伝ってくれるようにお願いしていたのですが、夫は私がそこまで追い詰められているとは気づいてなかったようで、いつも通りにのんびりしていました。その時に、感情をコントロールできなくなって、泣きながら夫に怒ってしまいました」
その様子を見て、美帆さんの夫は明らかにちょっと困った様子だったそう。「きっと『女のヒステリー』などと思われているんだろうな…と。そう思うと、余計に悔しい気持ちになりました」とのこと。
「でも、急にヒステリーを起こしたわけではなく、その前から忙しいとは言っていたし、家事へのヘルプは求めていたんです。ただ、その緊迫度まではちゃんと伝えられていなかったんだと思います」
頼み下手なママには、前もってパパから提案を
この問題について、パパに知っておいて欲しいことがふたつあります。まず、ママが発しているアラートが控え目で気づけないことがあるということ。もうひとつは、女性はそもそも、自分の仕事や役目を人に頼むのが苦手な人が多いということです。
女性の場合、真面目で責任感が強い人が多いので、何とかして自分の仕事や役目をまっとうしようとした結果、気づいたら業務が滞っていたというのは、仕事でもたまにある話ですよね。女性を部下に持っている方は、覚えがあると思います。そんな時、男性は「そんなことになる前に、もっと早く助けを求めればいいじゃないか」と言います。でも、それがなかなか出来ない女性は多いものなのです。
美帆さんも言うように、「忙しい」「手伝って」というのを、控え目には出しているんです。でもパパにはなかなか伝わらない。そうこうしているうちに、本格的に忙しくなってしまって、気づいたら「今日のお迎えを変わって」とか「今日の夕食は外食してきて」などと具体的に相談する余裕すらなくなってしまっている。そして急に怒る、泣くということになります。だから、ママにとってみれば「急に怒った」わけではなく、前から言っているんだから気づいてよ、という気持ちです。
また、女性は、人に物事を頼むのが苦手な人が多いように思います。「人に頼み事をする=人に迷惑をかけてしまう」と考えて、なかなかはっきりと言い出せません。私などは、仕事でもプライベートでも、頼んでみてダメだったらその時また考えよう、ダメ元でも頼むだけ頼んでみようと思ってしまうのですが、そんな図々しいタイプの女性は少ない印象です。
だから、頼み事が苦手な女性に対しては、こちらから「何かあったら言ってね」と前もって、助ける姿勢を見せておくことが大切なのだと思います。そうすれば、ママも気兼ねなく頼み事を相談できるようになります。
例えば、「仕事が忙しくなりそうな時期は遠慮なく言ってね。前もって言ってもらえれば、時間を調整してお迎えに行くこともできるし、ごはんも、外食とかお惣菜を買ってくるとか、僕ができる方法で何とかするから」などと、具体的に何ができるのかを伝えてもらえると、ママとしてはさらに頼みやすいです。
また、忙しい時期の家事をどうするかを考えるためには、常日頃からお互いに仕事のスケジュールを共有しておくことも必要です。ママに「忙しい時期は言ってね」というのと同時に、自分自身のスケジュールも「来月は2週目に出張が入ってその前後が忙しくなる」などと、少し先の予定まで共有しておくと、ママも「この時期はパパの帰りが遅いから夜はワンオペね」などと心の準備ができます。万が一忙しい時期が重なった時には、どう分担するのか、または家事代行を依頼するのかなど、前もって何らかの手を打つことができます。
これからの時期、年末にかけて仕事が忙しかったり、それに加えて忘年会や新年会などに参加しなければならないという方、多いと思います。そんな時期こそ、お互い助け合いの気持ちで、協力し合って乗り切りたいものですよね。
文/相馬由子
編集者、ライター。合同会社ディライトフル代表。子育てをテーマにした雑誌、ウェブ、書籍などの企画・編集・執筆を手がける。2017年より某育児・教育系ウェブメディアの編集長を務めている。再来年に娘の小学校入学を控え、学童に入れるのかが目下の悩み。
イラスト/佐野さくら
 


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