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2017.04.28

ライフ

「うわ、やられた〜!」が生む誤解の危険性


新しい画期的なビジネスを誰かが始めたというニュース、 最新のテクノロジーを使ったパフォーマンスやMV、世の中をザワつかせるようなネット記事や広告…… そういった類の記事やリンクをSNSを通じてシェアする人はたくさんいる。
「37.5歳的 放送禁止用語」を最初から読む
今回はそんな“シェア”に留まらない、自分じゃない誰かが世の中を騒がせるすごいことを成し遂げたニュースが駆け巡ったとき、の……放送禁止用語。
その発言の裏にどんな意図が!? 
シェアはいい。でもコレは辛い。ここが境界線。
そんな記事を後輩女子に見せてひと言。
「これ、やられたよね〜」

もしくは、SNSでシェアするときに添えるひと言
「あちゃ〜やられた〜」。
「なにが!?」と大きな声で返したい、気持ちになるのである。
「やられた!」ということは貴方も一歩間違えれば(もしくは間違えなければ)「同じことを成し遂げられたということなのですか!? そういう解釈で本当にいいのですか!?」と問いたくなる。
このたったひと言「やられた〜」の中には、「一歩先にやられたわ。俺も同じようなこと考えてたんだけど奴らのほうが一歩先だったなぁ。俺も惜しかったんだよ? 考えてはいたんだよ?」という 何かしらのアピールが込められている……ように感じてしまうのである。
「いやぁ、それは偏見だよ。そこまで深く考えてなんかないさ」と言いたいかもしれないが、ここでの放送禁止用語は相手にどう捉えられているか、がすべてなのである。
例え自分にその気が(自覚が)なくてもあくまで相手はそのように感じているのですよ!? と警鐘を鳴らすための放送禁止用語制定なのである。
SNSのシェアや投稿について少し触れているがこれに関してもわたくしは個人的に37.5歳的NGをたくさん言いたいのだが、それはまた別の機会にするとしてとにかくこの「やられた」発言はイケていないと思う。
単純に「すごいな」とか、「やるな」とか賞賛を送るならまだしも、何故そこにひと言「自分もできたはずだが先にやられた」ニュアンス(少なくともそう捉えられてもおかしくないような誤解招きニュアンス)を付け足してしまうのか。
とても優秀な人で先に素晴らしい功績を世の中に出されたこと、確かに似たようなことを考えてはいた、という悔しさや焦燥のような気持もすごくよくわかるのだ。
ただ、発するはけ口をSNSや後輩女性がいるような場にもとめてはいけないのである。
本当にそこまでは考えていなかった……はずでも壮大な勘違いを生み、また週末の女性たちの“会合”の中で話題になってしまうのが関の山なのである。
一転“ホメ上手”な好オッサンになれるチャンス!
「やられた〜……!」発言への対処策は、とにかく“飲み込む”。
これに限る。
どうしても何か言いたいのであれば何とかそれをもう少しだけ“素直チューニング”してみるのはいかがか。
バリバリ働き盛りのOC世代の皆様がご自身がおられる業界で他人の躍進的な活躍を前に「うっわ! やられた……!」と悔しい気持ちをにじませるのは至極当然のこと。
でもその中には「すげーなあいつ」という気持ちも同じだけあるはず。
どうしても何かしらひと言添えたい方はぜひそんな賞賛の言葉に変換を。
今回は「そんな勘違いを生んでしまうならしないほうがお得」的な放送禁止用語。そしてSNS上のコメントでも気を付けていただきたい、まさに時代を反映したひと言、でした。
文:岡野ぴんこ
N35inc.に所属するテレビ・ラジオの構成を手掛ける放送作家。
担当番組に、ZIP!(NTV系列)、another sky(NTV)、SENSORS(NTV)、マッチングラブ(TBS)などがある。
ファッション、ライフスタイル、レストランカフェ、旅、アウトドア、DIY・・・など興味は多岐に渡り感度絶好調のアンテナを持つ。女性がときめく情報、ビジュアル、瞬間は逃さず受信。自らのスタイル、文章、写真、映像、様々な表現で発信している。



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