Camp Gear Note Vol.55
2020.08.16
LEISURE

虫刺されが確実に減る! 覚えておきたい虫除け選びの新基準

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「Camp Gear Note」とは……

いくらベテランになろうとも、夏にアウトドアで遊ぶなら虫刺されは避けて通れない。

しかし、「この時期に多少の虫刺されは付き物だし」と諦めてしまうのはちょっと待った。正しい選び方と使い方を頭に入れて虫除けを選べば、煩わしい虫刺されを確実に減らすことができるのだ。

虫除けは「有効成分」と「配合率」で選ぶ

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ディートを配合した製品の代表例。「強さ」で選ぶなら、ディート配合タイプを選ぶのが正解だ。

虫除けには、蚊など虫に対する忌避効果のある成分(有効成分)が含まれている。大きく分けて3種類あるこの成分それぞれの特徴と、その配合率を頭に入れると、選ぶべき虫除けが見えてくる。

まず、ひとつめの有効成分は「ディート」と呼ばれるもの。これはジャングルでのマラリア予防のために米軍が開発した成分である。誕生の由来を聞いただけでも、その強力さは容易に想像できるだろう。

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お手持ちの虫除けに記載されている「有効成分」の欄を確認してみよう。

裏の成分表を併せてチェックしてみよう。

例えば写真左の製品は100ml中30gのディートを配合、右は400ml中8g配合している。つまり、配合率はそれぞれ30%と5%となる。

キャンプのような蚊が多い環境で使うならば、この配合率が高い製品を選ぶのがポイント。濃度が高いほど効果が高い、と思われるかもしれないが、忌避効果自体に違いはない。違いは有効成分の持続時間として現れる。

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吹きつけるだけでなく、肌全体によく延ばしてやると塗りムラがなくなる。

つまり、濃度が高い虫除けほど塗り直す手間が少なくて済む。裏を返せば、濃度が低い製品でも、まめに塗り直してやれば同じ効果を得ることはできる。

薬局やコンビニでも手に入りやすいタイプは、だいたい3時間ほどを目安に塗り直してやるといい。

少しでも塗りムラがあるとわずかな隙間を刺されてしまうので、塗り方にもコツがある。肌に吹きつけたら、手のひらで塗り広げるようにしよう。

ただし、ディートの濃度が高い製品は子供への使用が制限されるほど成分が強い。アレルギーの方の使用や、衣服に吹きかけるのは避けたほうが無難だ。

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ディートに変わる新成分、天然由来の成分にも注目

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イカリジンはまだ製品化されたばかりの有効成分。ディートに変わって今後は虫除けの主流になるかも?

2つめの有効成分は「イカリジン」。これは、平成28年に製品化されたばかりのニューフェイスである。

ディートと比べると、半分ほどの濃度で同様の効果が得られ、肌に優しいことが特徴。子供は濃度の高いディート配合製品を使えないが、イカリジンなら安心して使うことができる。

今後、ディートに変わる存在になっていく可能性を秘めた注目株だ。

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高品質なハッカ油は、香りが爽やかで変にベタつかない。

3つめの有効成分として、「ハッカ油」も紹介したい。

特徴は、なんといっても肌に優しく、口に入っても安心なこと。子供やペットがいる家庭や肌の弱い方には、貴重な選択肢となる。

レモンユーカリの精油など、近年はハッカ以外にも植物由来の忌避効果を利用した製品が増えている。心地の良い香りと、体質に合わせて薄めて使うことができる点も特徴だ。

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マスクにうっすらスプレーすると清涼感を得ることもできる。かけ過ぎ注意。
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ワンプッシュ系はキャンプの新たな必需品

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コンパクトなのも高ポイント。キャンプ道具の新たなスタンダードになりそう。

近年登場した製品の中で、新たなスタンダードになりそうなのが、「ワンプッシュ系」と呼ばれる製品。文字通り部屋にワンプッシュするだけで、ひと晩中、蚊が来なくなる優れものである。

実はこれ、キャンプにもかなり有効である。テント内にはもちろん、焚き火やテーブル周りに数プッシュしておくと、驚くほど蚊がいなくなるのだ。

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サイト周りに数プッシュしておくとひと晩は持つ。有効成分トランスフルトリンは水にも強いので、雨や朝露もものともしない。

有効成分は、殺虫剤にも含まれる「トランスフルトリン」なるもの。

この薬剤が空気中に漂うのではなく、周囲の草やテントの表面に付着する。そして、そこに止まった蚊をやっつける仕組みだ。実は蚊が飛んでいる時間はごくわずかで、大半の時間は何かに止まっている。その性質に目をつけて利用した製品なのだそう。

殺虫効果のある成分なので、散布時は食べ物や食器をしまっておきたい。道具を広げてしまう設営前に使うといいだろう。また、肌や服には直接塗らないように注意しよう。

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プロ御用達の蚊取り線香や焚き火の有効活用法も覚えておこう

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通常の蚊取り線香に比べるとかなりの極太仕様。手に持ってみると違いは一目瞭然だ。

古くからキャンパーに愛されている蚊取り線香も、虫除けに有効な手段のひとつ。中でも、林業や庭師など外仕事のプロがこぞって使っている、ピンク色の蚊取り線香をご存知だろうか。

これは「富士錦/森林香」なる製品で、太さも煙の量も効き目も、通常の蚊取り線香の数倍。その分お値段もそこそこするが、価値は十分にある。

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よく燃えている焚き火に、緑の草や葉っぱを被せる。古くから伝わる知恵である。

また、焚き火の煙を利用した虫除け法も覚えておこう。水分を含んだ葉っぱや枝を焚き火に突っ込み、大量に出る煙を利用して蚊を追い払う。この技をマスターしたら、かなりの上級者だ。

誰にでも、どこにでも当てはまる「これが最強!」と言い切れる虫除け方法は存在しない。状況に合わせて、肌に塗るもの、周囲に散布するもの、空気中に漂わせるものを賢く組み合わせることがコツだ。

新旧さまざまな知恵を駆使し、厄介な蚊を撃退して快適なキャンプを楽しんでいただきたい。

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「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。 上に戻る

池田 圭=取材・文 矢島慎一=写真

# Camp Gear Note# キャンプ# 虫除け# 虫除けスプレー
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