Running Up-date Vol.31
2020.07.18
LEISURE

ネクタイ界のキーパーソンが走って手に入れた「スーツが似合うカラダ」

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「Running Up-Date」とは……

ネクタイ業界のトップ企業、アイネックスにて商品戦略部の部長を務める並木孝之さんは、よく日焼けした肌がトレードマークのスポーツ万能男子だ。アラフィフとは思えない体躯を誇り、聞けば10年超のランニングと自重での筋力トレーニングのタマモノなのだそう。

夏本番をむかえ、コロナ太りで危険信号を感じている人からすると超がつくほどまぶしい。……まぶしすぎる!

100%の確率で気持ち良く“シメ”られるレアなスポーツ

「30代の後半に有酸素運動をしようと走り始めたのですが、すべては体型のため。仕事柄、既製服のスーツが似合う体であるべきだなと、贅肉が目立ってきたお腹を見つめて決意しました」と、並木さん。

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いざ走り始めると体重が、それも贅肉に相当する分がするスルっと落ち、70kgほどだった数値が半年ほどで60kg台前半に。

「見事、目標達成です。ここで辞めてもよかったのかもしれませんが、ランニングで汗をかく気持ち良さを味わったことで、すっかりハマりました。もともといろんなスポーツを極めたくって学生時代からたくさんのスポーツをしてきましたが、走ることがこんなに楽しいとは思いませんでした」。

今は千葉県の船橋に住んでいるので、江戸川の河川敷や海浜公園が定番のランニングコース。都内であれば皇居や、仕事終わりに代々木公園の織田フィールド(陸上トラック)で風を切る。

「ほかのスポーツと比べて、いろんなことを考えながら走れるのが良いですよね。考えるのはもっぱらどうでもいいことというか、他愛もないことなのですが、そこが自分には合っていたのかな。あとは走ったとの爽快感がたまりません。

ランニング後は必ず汗だくでシャワーを浴びると決めています。走ったあとのお風呂までがセットで“ランニング”だと思っているんです。走っている最中は自分を見つめ直す良い時間になるし、『あそこまで走れば冷たいシャワーが待っている』と、例え途中で調子の悪さを感じても、走り終わるときには小さな達成感とともに気持ち良く終えられる。

これがほかの対人スポーツだと、ゲームセットや時間の都合次第で“やり終える”ことになるので、場合によっては中途半端なシメになる可能性もあります。でも、ランニングは完全に自分のコントロール下で、フィニッシュでは必ず爽快な気分でシメられるんです」。

なるほど。自分次第で100%、必ずいい気分で終えられるスポーツだと考えれば、ランニングにハマる人が多いのも頷ける。

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ここいちばんの商談前は、朝イチで走って気合いを入れる

毎回爽快になれるオトクなスポーツ=ランニングのおかげでアップデートされたのは、スーツが似合う体型だけにとどまらない。

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「まず単純に体力がつきました。仕事で作業していて気が滅入ることがなくなりましたね。今はとある理由で一度に走る距離は長くても10kmまでと決めているのですが、それ以上の距離を一度に走り込んでいたときは途中にツラくなる局面を乗り越えて気持ちの良いフィニッシュにたどり着くという過程を経るので、長い作業でも無理がきくようになりました。そうそう、スーツが似合う体型をキープしていることで、メンズクロージングを扱う仕事のうえでも説得力が出せているのではと思います」。

「それと、仕事上で何か勝負ごとがあるときは無性に走りたくなるんです。例えばシーズンを左右するような、ここ一番の商談が控えている日は、早起きして朝5時から走ってシャワーを浴び、気合いを入れて出社するようにしています。走ることは大事なストレス解消であり、気持ちの切り替えスイッチになっていますね」。

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マンネリ打破で普通は距離を伸ばすところ、齢50にして短距離に挑戦

50歳を迎えたことをきっかけに、今までとはひと味ちがったランニングに挑戦しているという。

「ハーフマラソンなどのレースにも定期的に出ていたのですが、さすがにマンネリを感じてもいて、ふと思ったんです。100mを走ったら面白いんじゃないかって」。

ある程度経験を積んだマラソンランナーが、より大きな達成感をもとめてウルトラマラソンやトライアスロンに食指を伸ばすのはよくある話ではあるけれど……。

「ですよね。でも、ちょっとアマノジャクな自分が顔を出して、距離を短くしてみたら、競技人口が少ないものをやってみたら、どうなるんだろうと。いざ調べてみたらマスターズ陸上というものがありまして」。

マスターズ陸上とはベテランズとも呼ばれ、主に35歳以上の競技者が5歳刻みで年齢カテゴリー別に記録を競う陸上競技だ。

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「試しに普通のマラソンシューズで走ってみたら、13秒台のタイムが出て。気を良くして過去の大会のリザルトをいろいろ調べてみたら、M50という50~54歳クラスのカテゴリーだと、あと1秒縮めれば大会で入賞できる可能性があるんですよ。専用のスパイクを履いて、真剣にトレーニングしてみたら1秒くらい縮められるかもしれないじゃないですか。それで最近は短距離仕様に上半身を鍛えたり、普段のランもあまり長い距離を走り込まないようにしたり、途中で坂道ダッシュを織り交ぜたりしています」。

残念ながら新型コロナウイルス感染症の影響で予定していた大会が軒並み中止となってしまい、その答え合わせはまだ出来ていない。

「100mの面白いところは10何秒で結果が出るところ。フィールドも陸上競技場で観衆がいて、号砲とともに自分たちだけに視線が集まります。スタート前の緊張感はマラソンでは味わえないものですし、闘争心が湧いてきます。新しいことに挑戦するこのダイナミズムは、ビジネスにおいても同様だと思います。言わば競い合っている世界に身を置いているので、負けたくないという気持ちは良い仕事をするうえでも大事です。秘めたる闘争心と言いますか。だからランニングでも勝負の世界に身を置くことが好きなのかもしれません」。

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そのほかに、最近は仲間と一緒に「ダートマラソンリレー」なるものにも参加したという。

「船橋競馬場や大井競馬場のダートコースを走れるのですが、蹴っても蹴っても全然進まなくって、今まで走ったなかでいちばんキツかったです。でもほかのレースと違うこのツラさが面白かったですね」。

ストレス解消の長距離走を続けながら、短距離走でも結果を出したい。この闘争心があるからこそランニングにハマり、ランニングがあるからこそ健全な闘争心を抱き続けられる。並木さんはランニング・ビジネスマンのいいお手本なのだ。

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RUNNER’S FILE 14
氏名:並木孝之
年齢:50歳(1970年生まれ)
仕事:アイネックス 商品戦略部 部長
走る頻度:週1~2日、40~60分程度
記録:ハーフマラソン 95分、10K 42分

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ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。 上に戻る

礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真

# Running Up-Date# ランニング# 並木孝之
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