Running Up-date Vol.2
2019.12.28
LEISURE

「ランニングでも日常でも使えるモノを」 セレクトショップ勤務・牧野さんのギア選び

連載「Running Up-Date」
ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。

    牧野英明  

前編では、走る日も、走らない日も「いつでも10km走り出せる服が基本」と語ってくれた牧野英明さん。

ファッション業界人らしく、走るスタイルにも確固たるこだわりを持っている。例えばランニング専用のウェアではないモノ、極端にいえば動きやすいジーンズをはいて走ることもあるし、逆にトレンドのコーディネートのなかに、普通の服飾目線ではまず選ばないようなガチのランニングアイテムを取り入れることもある。

 

ファッション面と機能面を押さえてあれば「これで十分じゃん!」

インディーズ的なガレージブランドによるデザイン性の高いウェアを着ることもあれば、ナイキやアシックスなど、大手スポーツブランドのものも着用するという牧野さん。

牧野英明
「メンズ マウンテンジャケット」と「メッシュポケットランニングショーツ」。ともにティゴラ ビームス デザインのウエア。

「普段のファッションの幅は随分とテリトリーを狭めたのに、ランニングウェアに関しては逆に幅も奥行きも広がっているんです」。

今回着用しているのは、アルペングループがオリジナルで展開するスポーツアパレルライン「ティゴラ」でありつつ、ビームスがデザインコンサルとして協業するもの。

「ビームス的なファッション目線が加わっているのが特徴で、1980年代から’90年代のアメリカンスポーツウェアがデザインソースになっています。仕立て映えのする良い生地なのにリーズナブルなんですよ。機能面も本格的なランニング仕様で、ショーツにはスマートフォンなどを収納するのにちょうど良いメッシュポケットを設けています。スポーツデポなどの量販ショップで購入できますが、周りのランニング仲間に『これで十分じゃん!』と言ってもらえるのが嬉しい」。

牧野英明

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勝負シューズはナイキの超レアモデルで発奮

シューズはさまざまなメーカーのものを履いており、最近のお気に入りはスケッチャーズ。日本ではストリートカルチャーの印象が強いかもしれないが、実はパフォーマンスシューズとして米国では指折りの大手であり、ミッドソールに特徴のある素材を用いたハイエンドモデルは最近のナイキと並んで語られることも珍しくないとか。ほかにもホカ オネオネやトポ アスレティックなどを愛用している。

シューズ
ナイキの「ズーム ヴェイパーフライ エリート フライプリント」。残念ながらすでに完売。

「でも、タイムを狙うようなレースではナイキのズーム ヴェイパーフライ エリート フライプリントを履きます。ナイキ初の3Dプリントを活用したシューズ用のテキスタイルアッパーが特徴で、最新テクノロジーが詰まったエリートモデルです。そのぶんとっても高価で、税込みで8万円以上しました。だからソールが摩耗するのがもったいなくて、自分のなかではレース限定にしています。これを履くと、否が応でも気が引き締まりますしね」。

ちなみにこのシューズ、日本ではナイキ原宿店にてごく限られた足数のみ発売された逸品。厳しい応募条件を満たし、そのなかでさらにフルマラソンの持ちタイムが速い順に購入権が与えられたという。購入できた牧野さんはあらゆる意味でスゴいのだ!

タウンユースしてお洒落で、ランニングにも使えるという点では、ゾフのインナーレーベルである「ヴィシービジュアルコミュニケーション」のサングラスもお気に入りのアイテム。

サングラス

サングラス
ヴィシービジュアルコミュニケーションのアイウェア「N191014-14E1」。

「『ベドウィン&ザ ハートブレイカーズ』の渡辺真史氏がディレクションを手掛けているレーベルで、このモデルはその中でもテンプルを極限まで薄くしてバネ性を持たせ、かつ肌面側には滑りにくいラバーを張っているのでホールド感がスポーツサングラス並み。4分/kmを切るスピードで走ってもブレたりズレたりしません」。

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ランナー目線のモノ選びが、日常生活を豊かにしてくれた

「ランニングでも日常生活でも使えるかどうか」というモノ選びへのこだわりは小物にも貫かれている。

ヘッドホンは骨伝導タイプの最新モデルを愛用。振動する物体を耳のそばの骨にあてることで聴覚神経へとダイレクトに音を届けてくれるため、耳をふさぐ必要がない。ランニング中の安全面を考えたチョイスだ。愛用する「アフターショックス」は、骨伝導技術に特化したメーカーとしてニューヨークで創業したブランド。ワイヤレス、防水防塵、8時間の長寿命バッテリーと必要なスペックを満たし、そのうえで骨伝導とは思えないほどの音質の良さを誇る。

貴重品を携行するためのウォレットも「走りだせるかどうか」で選んでおり、京都発のガレージブランド「ミニマライト」がお気に入り。わずか16gで、三つ折りにするとタテ約6cm、ヨコ9.5cmというミニマムボディに、紙幣とコイン、カード、おまけに鍵まで収納できてしまう優れモノだ。コンパクトなのでランニングにはもってこい。

牧野英明
ヘッドホンはアフターショックスの「エアロペクス」、ウォレットはミニマライトの「プレイウォレット」。

「この形にこだわって集めている」というキャップも牧野さんにとっての必須アイテム。ツバの短い“ダックビル”タイプのメッシュキャップで、普段使いからランニングまで愛用できるものを選んでいる。

牧野英明
左より、ウィニッチ・アンド・コー、シエル、サスクワァッチファブリックス、マウンテンマーシャルアーツ。

「ランニングに使えるかどうか」という基準でモノ選びをするようになってから、ファッションや日常生活がむしろ豊かになになったいう牧野さん。

陸上部に在籍していた高校時代を最後にいったんは距離を置いたものの、大人になってからランニングを再開したことで、本業であるファッションにもまた違うベクトルの深みが出せて、それが自身のキャラクター作りや仕事にもダイレクトに役立っている。まさしくランニングアップデートのお手本だ。

「この趣味をいつまでも続けられるように、ずっと健康な体をキープしていきたいですね」。

 

RUNNER’S FILE 01
氏名:牧野英明
年齢:39歳(1980年生まれ)
仕事:ビームス 開発事業部 ライセンス事業課にてスポーツを担当
走る頻度:週6日程度。仕事終わりや昼休みにジムのトレッドミルなど
記録:フルマラソン2:49:01(2019東京マラソン)ほか

礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真

# Running Up-Date# ビームス# 牧野英明
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