海の街「熱海」 Vol.4
2018.08.01
LEISURE

なんという幸福!ヘルシー食と酵素風呂。熱海の穴場温泉でデトックス

海の街<熱海編>Vol.4
都会の喧騒から離れ、新たな日常やコミュニティを築くことができる“サードプレイス”として、年々注目が高まる熱海。その魅力のひとつといえば温泉だが、地元の人々はどんな温泉を愉しんでいるか。今回は、観光スポットとしては穴場ながら、熱海で暮らす人々の間でも人気という、ユニークな日帰り温泉を紹介しよう。

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地元の人々が愛する“癒し”のあるユニークな温泉施設へ

「そもそも温泉街ということで、日帰り観光客も利用できる施設は多数ありますが、地元で暮らしている身としては、いかにも観光地っぽいところって、やっぱり敬遠しがちになるものです。その点、ここは訪れる人の雰囲気を含め、いわゆる観光施設っぽくないところが、落ち着いていていいんですよね」。

2017年に家族そろって熱海に移住した、地元住民としては“フレッシュ”な部類に入る水野さん一家が薦めてくれたのは、熱海駅から自動車で20分ほど、中心街から山側に離れた位置にある『妙樂湯』。もともと水野さんの奥さんが熱海出身で、移住前から熱海に来るたびに足を運んでいたそう。

いかにも秘湯といったロケーションと、素朴なたたずまいのエントランスを通り館内へと入れば、熱海の山奥の温泉施設という先入観とはかけ離れた、小ざっぱりとした風景が広がる。

「とにかく居心地がいいんですよ。お風呂はもちろん、お食事もオーガニックなメニューが中心で、体に優しいところが魅力。食事&休憩スペースも明るく、広々としていて、ゆったりとした気持ちになれるんです。すぐ裏を流れている川の音が聞きながら、うとうと寝てしまうこともよくあります(笑)」。

と、水野夫人も言うように、地元の人々が妙樂湯を愛するいちばんの理由は、居心地の良さと“ヘルシー”さにある。

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玄米おむすび、おろし蕎麦、小鉢類も。体が喜ぶ絶品ばかり

定番の人気メニューとなっている「玄米おむすび」は、梅干しや高菜漬け、とろろこぶなど、優しげな具材が選べて1個155円。もちろん、注文を受けてから握ってくれる。

うどんやそばも名物だが、夏場にうれしいのは、なんといっても冷やしメニュー。薬味がたっぷりとのった「おろしそば」も、620円というお値打ち価格だ。

飲み物も侮れない。お父さん向けにはビールなどの酒類はもちろん、自家製の青梅を使った梅ジュース、玄米甘酒、果肉の食感が楽しいりんご汁なども。さらに「納豆の油揚げ包み焼き」や「焼きなすのオニオンがけ」など、季節ごとに変わる小鉢類(各310円)も、基本的にはヘルシー志向。疲れた体を、内側からも癒してくれるというわけだ。

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自慢の酵素風呂で、全身くまなくデトックス

さて、肝心となる温泉なのだが、ここ妙樂湯のお湯は、塩化物温泉が多い熱海では珍しい「単純温泉」という泉質。いわゆる温泉の成分が少なめであることから、刺激が少なく肌に優しい点が特徴なのだという。パンフレットに書かれている適応症は、神経痛、筋肉痛、慢性消化器病のほか、冷え性や疲労回復など。

ヒノキ造りの内湯のほか、露天風呂も用意されており、近くを流れる宮川のせせらぎを聞きながら、安らぎのひと時を過ごすことができる。

とはいえ、実は妙樂湯には温泉以上に魅力的な癒しを与えてくれる“メイン”が用意されているのである。

それが、こちらの「酵素風呂」。米ぬかと国産ヒノキのオガ粉に数種の酵素と石清水をブレンドしたという、ご当主自慢の酵素風呂は、自然発酵熱により常に約60度をキープ。その温浴効果によって、疲労回復のほか、冷え性や肩こり、腰痛、不眠などの改善効果も期待できるという。現在のご当主によれば、

「10~15分程度入るだけで、発汗が始まり体の芯まで温まっていきます。血行が良くなるほか、新陳代謝も活発になるので、男性にもオススメ。酵素風呂の魅力を熱海でも知ってほしいと、父親のアイデアで始まったのが現在の『妙樂湯』につながっているんです」。

とのこと。地元の人々に愛されているのはもちろん、この酵素風呂の効能を求めて、各地から定期的に訪れるファンも多いのだという。

「酵素風呂の効能を中心に、施設全体で“体に優しいコト” を愉しんでいただければという考えから、食事はもちろん全国の健康食品を集めるなど、お土産品にまで気を配っています」。

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熱海で始まる新しい温泉の形を体験してみよう

このように妙樂湯は、いわゆる「温泉街の温泉」とは、一線を画すユニークな存在。自宅に温泉を引いている家庭があるほど、温泉に慣れ親しんでいる地元の人々が、これまでにはない新たな温泉の形に惹かれるのは、当然なのかもしれない。

バブル崩壊後の低迷期を乗り越え、新しい魅力を次々と発信し続ける街・熱海。「温泉のある暮らし」も、街の変化とともに変貌を遂げつつある。新たな熱海の魅力を発見する意味でも、ぜひ訪れてほしいスポットだ。

 

妙樂湯
住所:静岡県熱海市下多賀1118-8
電話番号:0557-67-5526
営業:10:00~20:00(毎週火曜のほか、月3回の休業日あり)、酵素風呂は10:00~17:00(発酵熱の状態により17:00前に終了の場合あり)
温泉入浴料:大人1000円/子供500円(4歳以上小学生まで)
酵素風呂入浴料:大人2000円+貸し酵素着500円/子供1000円+貸し酵素着500円
www2.plala.or.jp/myourakuyu/index.html

石井敏郎=取材・文 小島マサヒロ=撮影

# 海の街# 温泉# 熱海# 穴場
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