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2017.08.05

あそぶ

都心に“謎の風船”出現! その正体の裏に、意外なストーリー

なんだ、コレはッ……! 目にしたら、そんなセリフが飛び出しそうな“巨大風船”が、今年9月、東京・六本木に出現する。じつはこちらの建物、移動式のコンサールホールというから驚きだ。

東京ミッドタウンは、開業10周年を記念して、9月19日(火)〜10月4日(水)まで移動式コンサートホール「アーク・ノヴァ」(高さ18m、幅30m、奥行36m)を展示。コンサートや映画上映を行う予定だという。
けれど、そもそもコレってナニ? インパクトだけのアート作品? と訝る人もいそうだが、その正体と制作ストーリーを知れば、きっと足を運びたくなるはず。
遡ること6年前。東日本大震災の翌日である2011年3月12日。80年以上の伝統を誇るスイスの音楽祭「ルツェルン・フェスティバル」の芸術総監督は、日本のアーティスト・マネージメント会社の社長の元へ安否を尋ねる電話をかけた。これをきっかけに、磯崎新氏と英国人彫刻家のアニッシュ・カプーア氏とが協働。ラテン語で“新しい箱舟”を意味する「アーク・ノヴァ」が誕生するに至ったのだ。

2013年から2015年にかけて松島、仙台、福島の3カ所で展示され、コンサートやワークショップなどを開催。延べ1万9000人を動員。今回、東北以外でも展示を行い、震災を風化させたくない、という「ルツェルン・フェスティバル」の想いに、東京ミッドタウンが賛同し実現に至ったというワケ。

ちなみに「アーク・ノヴァ」内のベンチの一部は、震災の記憶を残そうと、津波の塩害や地盤沈下によって伐採された松島にある瑞巌寺の参道杉が材料となっている。
遠くスイスの音楽祭が企画者となった復興支援アート。都心にいると忘れそうになるけれど、いまだ復興を待つ人や土地はまだ多い。大切なことを振り返るため、一度は足を運んでみようか。
【開催概要】
9月19日(火)~10月4日(水) ※荒天中止
ミッドタウン・ガーデン 芝生広場
主催:東京ミッドタウン
特別協力:ルツェルン・フェスティバル
【お問合せ】
東京ミッドタウン・コールセンター
03-3475-3100
東京ミッドタウンホームページ
www.tokyo-midtown.com


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