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2021.11.13

ファッション

世界が注目する小松マテーレが服に込めた“化学力”と、その賜物4選

名だたるデザイナーやブランドから高く評価され続ける、小松マテーレという企業。石川県に根差したこの会社はなぜ世界的に支持されるにいたったのだろうか?
無限の表情と機能とをもたらす、唯一無二の素材づくり。それが大人の普段着にもたらす恩恵は、計り知れない!
 

素材の明日を照らす、「小松マテーレ」の化学の力

ここにしかない“快適さ”がある。唯一無二の素材を作る「小松マテーレ」の化学力
「テクノビンテージBJ」という素材に防水・透湿のラミネート素材「アクアディマ」を掛け合わせ、まるでレザーのような重厚感あるルックスに。腕と身頃をひと続きにし、ゆとりを持たせた独特のシルエット。13万2000円/ユーゲン(イデアス 03-6869-4279)
1943年、染色前に生地をきれいにする精練業からスタートした小松マテーレ。その技術を応用し、生地に豊かな表情や質感を持たせたり、さらにはさまざまな機能を加える技術を確立するようになったのが今日の同社のルーツだ。
ここが特に得意とするのがナイロンやポリエステルなどの合繊の加工で、防水並みの超撥水処理であったり、抗ウイルスや蚊を寄せ付けない防蚊、保温やクールダウン、撥油効果を持たせるものまで実に多彩。同社の見学体験施設の「fa-bo(ファーボ)」にはそうした素材が5万種以上もアーカイブとして残っており、世界のトップメゾンや国内外の有力ブランド、ショップがこぞって同社の素材を採用しているのだ。
その信頼感たるや、パリで行われている世界最大規模の生地の見本市に足を運ぶビズビムのデザイナー、中村ヒロキさんに「小松さんのブースは必ずチェックします」と言わしめるほど。
今やその技術は他分野にも波及している。これまでは産廃として処理されていた、染色排水を浄化する際に出る汚泥を打ち水効果のあるブロックに加工し再利用する「グリーンビズ」は、先に行われたスポーツの世界的祭典の会場にも採用された。
ほかにも鋼鉄製ワイヤーの代替として建築資材や耐震補強材などに使われる「カボコーマ」なる炭素繊維など、例を挙げればキリがない。
化学の力で素材と暮らしの新たな可能性を拓く。小松マテーレは先進企業として、人知れず我々の生活をボーダーレスに導いているのだ。


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