「感動の服」特集 Vol.32
2021.09.14
FASHION

WWDJAPAN 編集長の「嗜好・志向が変わってきた今“ちょうど良い”」感動服話

年齢とスタイルは紐付ける必要、もしくは意味があるのだろうか?

正直、何歳になっても好きな服を着れば良いと思っているし、年齢という数字と琴線に触れる洋服には因果関係なんてないだろう。

ただ経験を重ねたら、少しずつ嗜好・志向が変わり、多様になってきたのは事実。

WWDJAPAN 編集長
村上 要さん Age 44
地方新聞の事件記者→FIT(ニューヨーク州立ファッション工科大学)へ進んだ異色の経歴の持ち主。色柄をこよなく愛するとともに、年間350日は短パンという独自のスタイルを貫く。

私は今も派手好きの業界人、しかも独身というレアなマイノリティなので参考になるか懐疑的だが、嗜好・志向の変遷には皆さんとの共通点があるかもしれない。

そう信じて、そんな自分が最近「イイなぁ」と思うアイテムについて、お話させていただこう。

“今の自分”にちょうど良い服を。異色の経歴を持つファッションジャーナリストが語るマジメな服話
コットンとポリエステル、そしてカシミヤからなるニットを、大きめサイズへと落とし込んだ定番品。品良く見え、かつ冬の街で映える。4万2900円/キャバン(キャバン 代官山店 03-5489-5101)

まず、「落ち着いた洋服」が欲しいワケじゃないが、昨今話題のサステイナブルマインドが自分にも芽生えたせいか、「色鮮やかでも、長く着られる洋服」が欲しくなった。

人目を引く洋服は、足し算だけではなく、引き算のクリエイションでも産まれることを学び、そんな洋服も選んでいる。

その意味での逸品は、キャバンのカシミヤ混のニットフーディ。キャンディーピンク、マスタード、ライトパープルなどのニットパーカは、毎年1色ずつ買い揃えている。「スタンダード」と宣言して年中販売しているし、セールにならないから、いつ買っても“裏切られた気持ち”にならない。

ムートンブーツの代名詞ブランドが誇る傑作「クラシック ミニ」。湿気を逃して暖かさを保つシープスキンと、合わせやすいショート丈が人気の理由。2万6400円/アグ(デッカーズジャパン 0120-710-844)

人目は引くけれど、ベーシック。アグのムートンブーツも、そんな理由で登板回数が増えている。

以前ブランドの担当者から「いちばんのオススメは、素足で履くこと」と教えてもらった。肩肘張るだけじゃなくなってきた今の自分に快適な軽やかさを提供してくれる。

パリのラグジュアリーブランドによるロング丈の一足。シャフトに同素材&同色で飾られた立体的なロンシャン・ホースのブランドロゴが、さりげなくも視線を惹くポイントに。2万5300円/ロンシャン(ロンシャン・ジャパン 0120-150-116)

他方、ロンシャンのレインブーツとフォローのデニムは、「昔より、ちょっとイイモノ」という嗜好・志向の結果、近年愛するようになった。

ロンシャンのレインブーツは、「フェス、行ってきます!」みたいな感じにならず、大きなロゴはキャッチーなのに同系色だからフォーマルにも合わせやすい。

エディ・スリマン時代のディオール オムなど、名だたるブランドのデニムを担当してきたデザイナー井出裕之氏が手掛ける。セルビッジ付きの本格生地と、非常に美しいシルエットの融合が大人好み。3万800円/フォロー(チャオパニック 京都寺町店 075-254-6747)

フォローのデニムは、正直はいて驚いた。「こんなにラクなのに、キレイなデニムがあるの?」と思ったくらいだ。「ちょっとイイモノ」がもたらす“安心感”は自信につながり、他のアイテムで冒険するときの後ろ盾にもなっている。

これまでのような「インパクト第一主義」一辺倒ではなくなりつつあるが、それでも外見がもたらす「洋服が大好き。だから幸せ」という第一印象を放棄するのは自分らしくない。

ここで紹介したアイテムは、そんな今の自分にとって“ちょうど良い”のだ。 

 

清水健吾=写真 増山直樹、早渕智之、長谷川茂雄、いくら直幸、髙村将司、大西陽子、森上 洋、中田 潤、今野 壘、オオサワ系、大木武康=文

# デニム# ニットフーディ# ブーツ
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