かつて青山で伝説のヴィンテージショップといわれた「アーカイブ&スタイル」。
そのオーナーだった坂田真彦さんが長年の知見すべてを注ぎ、製作したTシャツがこちら。
「ディテールを追求し……」というのはよく聞く文言だが、その言葉に偽りなし。古着を知り尽くす坂田さんが各パーツへのこだわりを積み重ね、雰囲気を徹頭徹尾追求しているのが最大のポイントだ。
イメージソースは1990年代のアメリカ製Tシャツ。例えば粗野なコットンの質感や丸胴のミドルウェイトボディ、それに“すくい縫い”。
こうした細かな要素やアメリカ製の風合いを忠実に再現するため、国内ではなく、メイド・イン・LAに。
また、わざわざ本物の軍用品メーカーを探し出し、ポケット内側のタグの製作のみテキサスの工場へオーダーするというこだわりも半端ではない。
「シンプルなものほど細部のバランスが大切。いっさいの妥協はありません」。そう語る坂田さんの言葉には一点の曇りもない。
Taichi=写真 来田拓也、星 光彦、野上翔太=スタイリング 加瀬友重、早渕智之、大木武康=文