「ザ・ベストダウン 2020」とは……寒すぎる。ダウンでも着なきゃ外に出られん。でも、ダウンを買いに行くダウンがない……という愛すべき大人たちに捧ぐ本企画。第5弾はカナダグース!
細微な手仕事でつくられるそのダウンは、日本でも超が付くほど大人気。もはや冬の風物詩と言ってもいい。
では、なぜそこまで我々の購買意欲をくすぐるのか。マーケティング担当の鈴木さんとともに、新作の魅力とブランドの求心力の根源を探っていこう。
トレンドを超越したカナダグースの価値
「カナダグースは1957年、カナダのトロントで創業しました。その後、1980年に極寒地で活動する登山家や探検家、遠征隊などのためのパーカを開発し、1982年にはカナダグースを着た登山家がエベレストに登頂しました。この経緯からも分かるように、メイド・イン・カナダブランドとしてずっと信頼のおけるものづくりを行っているんです」。
製品はすべてカナダで製造しているカナダグース。あくまで機能ファーストだというものづくりは、過去にカナダの警察のユニフォームとしても取り入れられていたほど。
また、すべての製品には温度体感指数という5段階の耐寒基準が設定されており、5度~マイナス5度まで対応するウェアから、マイナス30度以下などの極寒地でも着用できるウェアまでが揃う。
「カナダグースのダウンは、一着作るのに13の工程があると言われていて、約60人のスタッフが携わっています。コンセプトはラグジュアリーパフォーマンス。これは贅沢や豪華という意味ではなく、本物の素材を使うこと。暖かいことを良しとするものづくりを標榜しています。それこそカナダ人にとってカナダグースはワークウェアも同然で、ダウンジャケット=カナダグースと言っていいほど日常着として認知されています」。
カナダグースを一過性の流行のように思っている人もいるかもしれないが、これで分かってもらえただろうか。カナダグース=流行りのファッションではないのだ。
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