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2020.07.23

ファッション

サーフショップ「ブライン」のマネージャーに聞いた、サーフTシャツの意外なルーツ

サーフィンのルーツは古代ポリネシアにあり、当時の人たちは木の板で波に乗る単純な遊びを楽しんでいた。
その単純さが示すように、サーフィンに必要なのは究極的にはサーフボードだけ。そのため海の外で纏う“サーフTシャツ”が生まれたのは随分とあとのことになる。
ノーズライディングの写真を使った世界的サーフブランドの新作。
ノーズライディングの写真を使った世界的サーフブランドの新作。顔料染めによる着古したような風合い。4400円/クイックシルバー(ボードライダーズジャパン 0120-32-9190)
「よく見られるようになったのは1980年代に入ってから。国際的なプロツアーが本格的に始まり、サーフィンが世界的なブームになっていく過程で、サーフギアを手掛けるブランドがTシャツも作っていきました。
根底にあったのは、海から上がってもサーフ気分でいたい、海を感じていたいという気持ち。海の気持ち良さ、波に乗る楽しさ、また大波に挑むスリルといったサーファーだから理解できるフィーリングを表現したものが多かったと思います」。
そう語るのは東京・世田谷にあるサーフショップ、ブラインのストアマネージャー、吉岡雅晴さん。確かに歴史を振り返ると、世界で初めてサーフィン用ウエットスーツを手掛けたオニール社の創業は’52年。それを端緒にサーフブランドは増えていくが、いずれも扱っていたのはサーフギアである。
海の外ではデニムにネルシャツや無地のTシャツを合わせるなど各自が思い思いの格好をしており、そこに“サーファーらしさ”は特別なかったのだ。
「’90年代にサーフィンが本格的に商業化されて、サーファーによるアパレルブランドも増えました。今ではサーフィンを感じさせるTシャツは多彩です。ただ格好いいものとなると難しい。
自己メディアと言われるようにTシャツには自分が表現されますよね。デザイン、色、メッセージ、写真などボディに載っている“何か”は、それを選んだ自分そのもの。そこをサーファーにはわかってほしいけれど、あからさまなのは嫌、という天邪鬼なところがある。
もしそんなツウ好みの一枚を選びたいなら、ここで紹介しているものを参考にしてみては? あとはサーフカルチャーを知ることが大事でしょうね」。


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