個性豊かな洒落者たちが、雨の日にだけはこぞって手を伸ばす靴がある。それが、オーストラリアはタスマニア生まれの老舗シューメーカー、ブランドストーンだ。
なぜ、目の肥えた彼らは、このブランドを選ぶのか?
汚れても格好いいって最高!「ブランドストーン」のブーツ
英国移民の夫婦が豪州で設立し、今年150周年を迎えた。定番のサイドゴアブーツ「オリジナルズ」は堅牢なレザーアッパーと、アッパーとソールを縫い目なく一体化させるインジェクション製法により、靴底から水が侵入しにくいのが特徴。
スタイリスト 宮島尊弘さん(50歳)ブランドストーンを知ったのは、同じくスタイリストで友人の熊谷隆志さんが履いていたから。「その後サーフトリップでオーストラリアに行ったんですが、『あ、そういえばここが現地だな』と思い出して買ったのが1足目でした」。以降は単なる雨具ではなく、街履きとしても活躍しているそう。
「もともと汚くなったくらいのブーツが好きなので、朝に庭いじりをして、そのまま午後には東京へ行ったりというふうに、街・山兼用で履いています。ホースで水をジャバジャバ使っても濡れないし、そうやってアジが出てくるのがいいんですよね」。ちなみに冒頭のブーツは宮島さんの私物で味わいたっぷりだ。
俳優 池内博之さん(43歳)池内さんの足元の選択肢にブランドストーンが加わったのは、今から約2年ほど前のこと。「基本は普段使いが多いですが、海やちょっとした山遊びなど、アウトドアでも使えます。レースアップじゃないから、脱ぎ履きがラクなのがイイですよね」。
愛用しているのは、表革ではなくスエード素材のサイドゴアブーツ。「スエードだとラフにも履けるうえ、少しきれいめな服にも合うところが気に入っています。履き込んで色落ちしていく感じも好きですし、たまに捕色したり手入れしたりしながら、新品のときみたいな表情を楽しむのも好き。これからの時季は、ショートパンツに合わせるのもいいなぁ」。
ジャンティーク 代表 内田 斉さん(51歳)「僕は普段から『傘とストローは差さない』と言っているんです(笑)」という内田さん。雨でも外出必須な愛犬の散歩などには、軍モノのゴアテックスパーカとブランドストーンで繰り出すのが定番。「気にせず履ける、サンダルみたいな感覚に近いかもしれません」。
出会いは日本ではなく、米国でのバイイングトリップ中だったとのこと。「僕は東海岸も回るので、必ず雨が降るし、ぬかるみを通るんです。それで買い付け中に買って、すぐに履きました。“インソールを剥がして履け”というのがそのときの店主さんの助言で、今でも僕はそうしています」。
山本雄生=写真 松平浩市=スタイリング 今野 壘=文