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2020.06.25

ファッション

無地のTシャツが秘めた高い機能。やみつきになる、そのギャップ

機能性の高い服と聞いて、まず思い浮かべるものはなにか。おそらくアウトドア系アウターなどが頭によぎった御仁の多いことだろう。
しかしここで紹介するのは機能性バツグンのTシャツである。秘められたそのスペックに、ただ感服する。
 

「機能=スペック」を覆すロングセラー

機能派無地Tシャツ/ノンネイティブ
1万800円/ノンネイティブ(ベンダー 03-6452-3072)
NONNATIVE ノンネイティブ
東京を代表するファッションブランド、ノンネイティブはもうずっと、このカタチのTシャツを作り続けている。リラックスしたネック回り。スタイリッシュに見えるようなパターンで仕上げられた短めの袖丈。小ぶりな胸ポケット。そして、ベースボールシャツのようにラウンドしたスリット入りの裾。
カラーバリエーションや素材はシーズンごとに入れ替わるが、基本的な見た目は不変だ。もちろん無地だけじゃなくて、ワンポイントロゴやプリント柄をのせたタイプも数多く展開している。
今回紹介するこちらの無地タイプは、今季は写真のオリーブのほか、ホワイト、ブラック、ネイビー、ヘザーグレイを用意。涼しくドライな着心地のクールマックスを使用したコットンとポリエステルの天竺素材で、ストレッチ性に優れた生地に仕上げている。
このTシャツは例えるなら、古今東西の画家が愛用した名品キャンバスのようなものか。どんな色も、どんなデザインも受け止める。そして、時代に左右されない普遍性が漂っている。
でも決して単純じゃない。スリット入りのラウンドテイルは、着たときに動きやすさを発揮してくれる。そして、レイヤードしたときの“裾回りのニュアンス”を、より豊かなものに変えてくれる。もしかしたら着る人が袖を通して初めて、ひとつの作品として完成するTシャツなのかもしれない。

藤井隆行さんがデザイナーに就任して、今年で実に20年を迎えるノンネイティブ。僕らは若い頃からこのブランドを知っていて、今もここの服が大好きだ。飽きがこないという意味ではもはや我ら日本人が愛してやまない、白ごはんのレベル。
ずっと寄り添ってくれて、いつもそばにあるもの。これがノンネイティブのTシャツの、いちばんの機能性なのかもしれない。


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