意外な表情にドキッ。大人見えするシャツ・パーカ・ショーツのプロ技
トレンドばかりを追い求めるのが、お洒落ではない。奇をてらわない、見慣れた服の意外な組み合わせで、ガラリと雰囲気が変わることもある。
オーシャンズで長らく特集のスタイリングを手掛ける菊池陽之介さんに、発想の転換で生まれるプロの技を「ご名答」いただいた。
合わせるだけで実感できるブルーシャツの「大人見え」効果

「カジュアル服にドレスライクなシャツを着る。想定内と言わないでくださいね(笑)。続きがあります。提案したいのは、サックスブルーなんです。
特に相性がいいのは、デニムと革ジャンといった骨太な装い。ここに白シャツでは、骨太感と清潔感のギャップが強くて、シャツが“浮いて”しまう。
サックスブルーなら、爽やかな中間色が両者を無理なくつないでくれます。ワーカーズウェアの主流だし、ドレスアイテムの中でもカジュアル寄りですから、似合うのも当然。これがうまいのは、ジョルジオ アルマーニ。つまり、品良く骨太ってことなんです」(談)。
街男にも大推薦したい海由来のメキシカンパーカ登場

「サーファーでもないと、距離感が掴みづらいのがメキシカンパーカじゃないでしょうか。実際、どう着ればいいの?と聞かれることも多い。
バハ・カリフォルニアのサーファーたちに愛されたという出自もさることながら、かつて古着で着たことのある人なら、独特な色柄使いを懐かしく思うでしょう。確かに、そのエスニックな雰囲気は魅力的なのですが、個性が強いのが懸念材料でもあるわけです。そこで、ネイビーの濃淡でカラーリングしたディセンダントのこちら。
シックな色調で、襟口もコードではなくボタンにしていたり、袖口をリブにしていたりとすっきりと仕上げています。これなら、海男だけでなく、街男でも西海岸の空気感を薫らせる良き一手として使えますね」(談)。
寒暖差が激しくなる頃楽しめるコート×ショーツという選択肢

「寒いのか暑いのか、どっち? なんて声が聞こえてきそうですが(笑)。寒暖差のある春先、いち早くショーツもはきたいけどアウターも欠かせない。そんな日本らしい、季節限定の提案です。
ショーツにスプリングコートって、両方所有していても普段は絶対合わせないはず。でも、発想を変えて合わせたら、ほら、手前味噌ですがすごく新鮮ですよね。ポイントは、ショーツより丈長のコートを合わせないこと。当たり前ですけど、後ろ姿を気にしたもので、重要です(笑)。
今春は、太パンツブームの影響でボリュームあるショーツが多いですから、まさに挑戦の“しどき”ですよ! 実践できる期間が短いお洒落を楽しもうとするその姿勢こそ、大人らしい、と言えると思います」(談)。
スタイリスト・菊池陽之介さん
1979年神奈川県生まれ。熊谷隆志氏に師事したのち、2004年に独立。本誌ほかメンズ媒体を中心に、広告やタレント・ミュージシャンを多く手掛ける。シンプルなのに、少しのスパイスで見違える手腕は、オーシャンズでの活躍のとおり!
谷田政史(CaNN)=写真(人物) 菊池陽之介=スタイリング yoboon(coccina)=ヘアメイク 増田海治郎、髙村将司、いくら直幸、増山直樹、菊地 亮=文 長谷川茂雄、今野 壘、大関祐詞=編集・文