もしも、クリスマスで。 Vol.15
2019.12.22
FASHION

ヴァージル・アブローのルイ・ヴィトンは、どこまでもピースで優しかった

2018年にルイ・ヴィトンのメンズ アーティスティック・ディレクターに就任したヴァージル・アブロー。アフリカ系アメリカ人のヴァージルは、フェンディでインターンをしたのち、ラッパーのカニエ・ウエストが立ち上げたクリエイティブ・エージェンシー「DONDA」を経て’12年にアートプロジェクト「パイレックス・ヴィジョン」で一躍注目を集めた。

ヴァージル・アブロー 2012年にオフ-ホワイトをスタート。’18年にはルイ・ヴィトンのメンズ アーティスティック・ディレクターに就任。
ヴァージル・アブロー(39歳) 米・ウィスコンシン大学マディソン校にて土木工学の学位を取得し、イリノイ工科大学では建築学の修士号を取得。2012年にオフ-ホワイトをスタート。’18年にはルイ・ヴィトンのメンズ アーティスティック・ディレクターに就任。今その動向が最も注目されているデザイナーのひとりである。 © Fabien Montique

同年には自身のブランド「オフ-ホワイト」をスタート。ラグジュアリー・ストリートの中心人物として、モードの階段を急ぎ足で駆け上がってきた。過去にアフリカ系のデザイナーがトップメゾンのディレクターに就任したのは、ジバンシィのオズワルド・ボーテング(’03年)とバルマンのオリヴィエ・ルスタン(’11年)くらいしか例がない。ルイ・ヴィトンとしても、アフリカ系アメリカ人をアーティスティック・ディレクターに迎えるのは初めてとなる。

この3シーズン、ヴァージルがコレクションを通して訴え続けているのは、多様性を意味する言葉、“ダイバーシティ”という概念だ。それを象徴するかのように、初コレクションではレインボーカラーのランウェイを披露。そのプレスリリースには出演モデルとその両親の出生地が記されていた。

そしてヴァージル率いるデザインチームの結束力を讃えるかのごとくシルエットでメンバーを初登場させたセーター……。そう、ヴァージルのルイ・ヴィトンは、どこまでもピースフルで目線が優しいのだ。

このセーターのモチーフは、ヒップホップのクルーではなく、ルイ・ヴィトンのメンズデザインチームのメンバーを象ったもの。
このセーターのモチーフは、ヒップホップのクルーではなく、ルイ・ヴィトンのメンズデザインチームのメンバーを象ったもの。彼のスタンスがユーモアたっぷりに表現された1枚だ。ちなみに1番のアートディレクターとはヴァージル自身を指している。13万3000円/ルイ・ヴィトン 0120-00-1854
裏側には各自の肩書が記されていて、1人の力ではなく皆が力を合わせて作っていることを強調している。

だからクラシックなルイ・ヴィトンが好きな人も、ぜひ袖を通してみてほしい。きっと笑顔になれるはずだから。

 

清水健吾=写真 菊池陽之介=スタイリング 増田海治郎=文 大関祐詞=編集

# ルイ・ヴィトン# ヴァージル・アブロー# セーター
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