時間をかけて育てていく、“ゴールド”ジュエリーの魅力
例えば、ゴールドやダイヤモンド。贈るぶんには抵抗がないけど、その視覚的、物量的な存在感のあまり、身に着けるには少し不相応に感じていた。でも年齢を重ねた今、特有の安心感が日常にうまく溶け込んでくれそうに思う。
となれば普段から身に着けて、時間とともに身体に馴染ませていきたい。繊細なデザインと上品な輝きは、時をたやすく超えていくから。そう、いい大人のカジュアルシーンにこそ、いいジュエリーが必要なのだ。
洗練のジュエリーといつもの服で朝食を

「ティファニー」
気持ちのいい朝。モーニングコーヒーを淹れる間に、身支度を整えよう。「ティファニー T」のピンキーリングと「ティファニー ハードウェア」のブレスレットに手を伸ばす。シャープで力強く、とことんモダン。K18YGの嫌みのない光沢は、洗練されつつ活気に満ちたNYさながら。だからいつものシャツの上からでも、冷えた空気をいっそう新鮮に感じる。こんな“朝食”から始まる一日、きっと最高に違いない。
タフなラグジュアリーさが“海オトコ”をワクワクさせる

「フレッド」
実際に波に乗る瞬間はもちろん、出発する前から年甲斐もなくワクワクしてしまう。海を感じるアイテムを身に纏い、片道2時間のサーフスポットへ。腕元には、K18YGを全面にあしらった「フォース10」。
ヨットのケーブルとシャックルをモチーフとするブレスレットは、ラグジュアリー感とタフネスを持ち合わせる“海オトコ”にぴったり。くすんだり、多少傷ついてもそれすら味に。まるで日焼けしてシワが増えてきた俺の顔みたいじゃないか!?
K22ジュエリーの魅力に気付く頃、自然と背伸びもなくなる

「クロムハーツ」
自ら部屋に飾るようになったグリーンと同じく、年を取って身近になる。クロムハーツはそんな存在かもしれない。強い印象のあるブレスレットも、リングも深い輝きのK22ジュエリーを選ぶ。同素材のネックレスなら、細身がいい。でも、シルバーにハマった若かりし日に感じた“背伸び”は、もうない。シンプルな装いにこそ映えるという“マイルール”は、あの頃と一緒だけど。
まるでうたた寝を誘うほどプレーンで軽快な心地良さ

「トムウッド」
真円と楕円を交互に組み合わせたネックレスは、絶妙な色合いのK9YGを採用。あえて中身を空洞化させ、着用感は軽く。スクエアなK9YGのリングは、滑らかなミニマルデザインがフレッシュだ。ともに重厚というより、むしろプレーンで軽快なゴールド。まるで身に着けていることを忘れ、うたた寝するほどに。これって、大人が知るべき贅沢のひとつだと思う。
育っていくのはデニム? ジュエリー? それとも……

「レジェンド」
真新しいリジッドデニムのように、純度の高いK18YGのブレスレット&リングを身に着けながら育てる。ジャパンブランドらしい丁寧な手仕事が生んだ、緻密な唐草&フェザーのモチーフ。それらがどんな表情に変わっていくか、想像するだけでこれからの毎日が楽しくなる。そう考えると、身に着けながら育っていくのはアイテムの表情だけじゃなく、自分自身の感性も同様だったりするのだ。
※本文中における素材の略称:K9=9金、K18=18金、K22=22金、YG=イエローゴールド
山本雄生=写真 坂井辰翁=スタイリング MASAYUKI(The VOICE)=ヘアメイク いくら直幸、増山直樹=文