「アウターは流行< 定番」と断言! だからアイコニックモデルという選択
流行と定番の2択を迫られたときに、迷いなく定番と答える新現実派にとって重要になるのが人気ブランドが手掛ける「アイコニックモデル」だ。
デザインの“芯”を貫きながら時代に合わせて独自性を表現してきたもの。そこには簡単には廃れない普遍性がある。いわば、移ろい進化する定番である。
「ベドウィン & ザ ハートブレイカーズ」
人気スタジャンを今のサイジングで

シーズンごとに少しずつデザイン変更を繰り返し、2008年からリリースされているブランドを象徴するアワードジャケット。素材にメルトンを使ってヴィンテージ感を表現したという今季は、従来のタイトシルエットから打って変わってオーバーサイズに仕立てられている。リブから襟へ変えた首回りや、両袖のパイピングにも注目だ。ディレクターの渡辺真史さんもお気に入りだという、パーカとチノパンを合わせたスタイリングで。
「サイベーシックス」
上品見えするダッフルコート

2005年の登場以降、ロングセラー記録を更新するダッフルコート。スーツなどに用いられるスーパー140s相当の高品質なオリジナルウールメルトンは、肉厚だが柔らかく、保温性も抜群。何よりその高級感ある佇まいが魅力で、優れたテーラリング技術による仕立てと相まってとても上品な印象を漂わせる。
「ノンネイティブ」
日常着にこそ高機能素材を

いち早く日常着に高機能素材を取り入れ、東京ブランドらしい表現を続けてきたノンネイティブ。ステンカラーコートの裏地には、防水透湿性や防水性を備え、軽やかな着心地を支える「ゴアテックス インフィニウム」を採用。ゴアテックス社との取り合わせは2008年から始まったもので、今ではブランドコンセプトを体現する存在に。
「ロンハーマン」
今年はこんな“コンチョダウン”

日本初上陸を果たした2009年より続く“即完伝説”の立役者であるコンチョ付きアウターの中でも、特に人気なのがダウン。柔らかで上質なゴートスエードをボディに、裏地には丈夫なコーデュロイ、汚れやすい首裏にはスムースレザー、袖口にはインナーリブを同色でまとめ、そのどれもが長く着用するためのディテールといえる。
「アー・ペー・セー」
人気レザーブルゾンの最新形

デザイナーのジャン・トゥイトゥが1990年代前半に発表した定番「モトブルゾン」。以来、パリジャンの日常着として浸透しているA.P.C.のシングルジップタイプのレザーブルゾンをアップデートした今季の新作。’70年代のレトロスタイルに着想を得たもので、体に馴染むしっとりとした牛革のグレインレザー(銀付き革)と襟元のリブ使いが特徴だ。
「ビズビム 」
迫力のヴィンテージ風MA-1

ヴィンテージの風合い溢れるMA-1「トーソンジャケット カレッジ」は、2015年からリリースされてきた人気モデル。今季は奄美大島で伝統の泥染加工を施した高密度アーミーナイロンツイルで仕立て、両肘にはダメージ加工を施したデニム地で切り替え。「PEERLESS(“無双”の意)」を手作業でステンシルプリントする。
川田有二=写真(人物) 鈴木泰之=写真(静物) 菊池陽之介=スタイリング MASAYUKI(The VOICE)=ヘアメイク 髙村将司、川瀬拓郎、増山直樹、押条良太(押条事務所)=文