2019.11.05
FASHION

靴の王様「マノロ ブラニク」はきっとオーシャンズな男も虜にする

PREMIUM BRAND × DAILY STYLE
MANOLO BLAHNIK マノロ ブラニク

「走れるパンプス」を生み出し、女性たちの足を美しく飾り、心躍らせてきた靴の王様、マノロ ブラニク。今年の春、東京・表参道に旗艦店をオープンさせると同時に、ついに「男のマノロ ブラニク」も上陸した。女性を虜にしてきたその魅力は、きっとオーシャンズな男も虜にするだろう。

「ハロー、マイ・ネーム・イズ・マノロ ブラニク」
〜中野香織・文〜

女性の靴の世界では、マノロ ブラニクはため息とともに語られる別格の靴である。

自分の名、マノロ・ブラニクをブランド名にした靴デザイナーは、米ヴォーグ誌編集長のアナ・ウィンターが「もうほかの人の靴は履かない。見もしないわ」と絶賛し、映画監督のソフィア・コッポラが『マリー・アントワネット』製作の際に18世紀のフランス王妃に相応しい靴としてデザインを依頼し、故ダイアナ元妃がここ一番の場面で自信を持ちたいときに頼みの綱とした、45年以上のキャリアを誇る巨匠である。

ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」では主人公のキャリーがマノロ ブラニクを買いすぎて破産しかけるというエピソードが出てくるし、日本のドラマ「花より男子」では、ヒロインの牧野つくしが、「美しい靴は美しい場所へ連れて行ってくれるのよ」とマノロ ブラニクの靴をプレゼントされる。フィクションにおいても、マノロ ブラニクはドラマを作るのだ。

マノロの靴とともに埋葬してほしいと願う女性がいるほどの熱狂を作るデザイナーは、スペイン領のカナリア諸島で子供時代を過ごした。ドキュメンタリー映画『マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年』では、幼少時に既にチョコレートの包み紙でトカゲのために靴を作って遊んでいた、マノロ・ブラニクが描かれている。

「ハロー、マイ・ネーム・イズ・マノロ ブラニク」 〜中野香織・文〜
各11万4000円、[女性]パンプス9万2000円/ともにマノロ ブラニク(ブルーベル・ジャパン 03-5413-1050)、スカート1万7000円/ユナイテッドアローズ(ユナイテッドアローズ 青山 ウィメンズストア 03-5468-2255)

彼が靴デザイナーになったきっかけは、伝説の米ヴォーグ編集長、ダイアナ・ヴリーランドとの出会いである。1969年、ニューヨークに旅行中だった彼は、ヴリーランドにスケッチブックを見せる。それを見たヴリーランドが助言するのである。靴を作りなさい、と。ブラニクは素直に助言に従い、独学で靴作りを学ぶのだ。

現在は、ロンドンの旗艦店を筆頭に、世界各地に店舗を構える。各国で大好評を博し、イギリスからは大英帝国三等勲章を受勲している。母国スペインでは「画家のピカソ、映画監督のペドロ・アルモドバル、そしてマノロ・ブラニク」と三大偉人にまで並び称せられるほどの地位を築いている。

本人は、華やかなスターに囲まれる人気者でありながら、孤独を好む。どんなに売れても大量生産の波には乗らず、自ら工房で木型を削る。

靴デザイナーとして生きることを運命として背負った巨匠が、メンズラインを本格的に出したのが2019年春夏である。柔らかでカラフルに見えて、地に足がつく落ち着きを備えた靴。繊細で華奢に見えて、実は疲れ知らずのパワフルな靴。トレンド感があるのにタイムレスな美しさも備えたサステイナブルな靴。アップデートされた自由な感性で生きる新世代の男性の足元と心を、マノロは官能的に包み込んでくれるだろう。この靴を履いたときに生まれる自信は、素敵な場所へ、未来へとあなたを連れて行ってくれるはずだ。

 

デザイナーの好きな田舎町から名付けられた、ブランドを代表するオックスフォード「ウィットニー」。/マノロ ブラニク
靴11万4000円/マノロ ブラニク(ブルーベル・ジャパン 03-5413-1050)、ダウンベスト5万8000円/オーラリー 03-6427-7141、カットソー6000円/ヘインズ フォー ビオトープ(ビオトープ 0120-298-133)、パンツ1万6000円/ユナイテッドアローズ(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 03-5772-5501)、ソックス900円/タビオメン(タビオ 03-6419-7676)

デザイナーの好きな田舎町から名付けられた、ブランドを代表するオックスフォード「ウィットニー」。英国的なクラシックな佇まいのなかに、ロンドンの多彩なカルチャーを表現。豊かな自然と歴史的建造物に囲まれたスペイン・カナリア諸島出身ならではのユニークで明るい感性が、多彩な「色」で表現され、足元を鮮やかに彩る。

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ロンドンのチェルシー地区に住むアーティストなどが愛用したことから、その呼び名がついたチェルシーブーツ。/マノロ ブラニク
[男性]靴13万2000円/マノロ ブラニク(ブルーベル・ジャパン 03-5413-1050)、ニット9万8000円/バトナー フォー ビオトープ(ビオトープ 0120-298-133)、デニム1万6800円/エストネーション 0120-503-971、ソックス3300円/オーラリー 03-6427-7141 [女性]靴11万2000円/マノロ ブラニク(ブルーベル・ジャパン 03-5413-1050)、ニット3万6000円、パンツ1万8000円/ともにトゥモローランド 0120-983-511、シャツ3万8000円/ブーリエンヌ(ギャルリー・ヴィー 丸の内店 03-5224-8677)、ピアス2万8000円、リング[3点セット]3万2000円/ともにブランイリス(エストネーション 0120-503-971)

ロンドンのチェルシー地区に住むアーティストなどが愛用したことから、その呼び名がついたチェルシーブーツ。流れるように滑らかな曲線を描き、上品で耽美なシルエットに仕上げた「デルサ」は、その美しさだけでなく、コンフォートな履き心地に彼の神髄が表れる。加えて毛脚の短い上質なカーフスエードが気品ある表情に。

 

継ぎ目のない一枚革を贅沢に使用したアッパーに、軽快なラバーソールを合わせたイージーシューズ「エントレナドール」。/マノロ ブラニク
靴11万2000円/マノロ ブラニク(ブルーベル・ジャパン 03-5413-1050)、カーディガン2万6000円/トゥモローランド トリコ(トゥモローランド 0120-983-522)、シャツ2万9000円/ギットマン×レショップ×イズネス、カットソー6000円/エルイー(ともにレショップ 03-5413-4714)、パンツ3万8000円/ギャルリー・ヴィー(スーパー エー マーケット 新宿 03-3351-3860)、サングラス4万7000円/アイヴァン 7285(アイヴァン 7285 トウキョウ 03-3409-7285)

継ぎ目のない一枚革を贅沢に使用したアッパーに、軽快なラバーソールを合わせたイージーシューズ「エントレナドール」。グリップ力に優れ、長時間履いても疲れにくい実用性を持ちながら、エレガンスを欠くことなく、高いクラフツマンシップを融合させたホールカット仕様は他に類を見ない。その足なじみと履き心地の良さは、一度覚えたらきっとクセになる。

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かのウィンザー公にも愛用され、高い人気を博し続けるチャッカブーツ。/マノロ ブラニク
靴11万4000円/マノロ ブラニク(ブルーベル・ジャパン 03-5413-1050)、コート15万8000円/グレンフェル(ビームス 六本木ヒルズ 03-5775-1623)、シャツ1万4000円/トゥモローランド ピルグリム(トゥモローランド 0120-983-522)、パンツ6万2000円/マディソンブルー 03-6434-9133、ソックス800円/タビオメン(タビオ 03-6419-7676)

かのウィンザー公にも愛用され、高い人気を博し続けるチャッカブーツ。マノロ ブラニクの手掛けた「ロドリゴ」は、贅沢なカーフスエードを使い、つま先に向かって美しいラインを描く。さらに、ウルトラライトソールを採用することで軽快な履き心地に仕上げた。エレガンスとリラックス、その調和に巧みな技が光る。まさに、時代の気分を反映した一足だ。

 

19世紀に君臨したダンディズムの始祖、ボー・ブランメルから着想を得たスリッポン「マリオ」。/マノロ ブラニク
[男性]靴10万7000円/マノロ ブラニク(ブルーベル・ジャパン 03-5413-1050)、ジャケット7万2000円、パンツ3万4000円/ともにグラフペーパー 03-6418-9402、カットソー2万2000円/インターナショナルギャラリー ビームス 03-3470-3948、ソックス1000円/タビオメン(タビオ 03-6419-7676) [女性]靴13万8000円/マノロ ブラニク(ブルーベル・ジャパン 03-5413-1050)、コート7万9000円/ヴェルメイユ パー イエナ(ヴェルメイユ パー イエナ 日本橋店 03-6262-3239)、シャツ2万4000円/デ・プレ 0120-983-533、パンツ4万4000円/ローベリーテアンドコー(トゥモローランド 0120-983-511)、ピアス2万8000円、リング3万8000円/ともにブランイリス(エストネーション 0120-503-971)

19世紀に君臨したダンディズムの始祖、ボー・ブランメルから着想を得たスリッポン「マリオ」。彼が、くつろぐ際に着ていたラウンジスーツに合わせていたのは、きっとこんな上質な靴に違いない。上品なダークグリーンのベルベットは、秋の装いを格調高いスタイルに昇華させ、きっと諸兄を素敵な場所へと誘ってくれるだろう。

中野香織(なかのかおり)●服飾史家として研究・執筆・講演を行うほか、企業のアドバイザーを務める。昭和女子大学客員教授。日本経済新聞・読売新聞など数紙で連載中。著書『ロイヤルスタイル 英国王室ファッション史』ほか多数。
www.kaori-nakano.com

 

生田昌士(hannah)=写真 池田 敬=スタイリング 山形栄介=ヘアメイク 中野香織=文

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