奇抜さだけのモードはお断り。みんなに開かれたディオールの世界
PREMIUM BRAND × DAILY STYLE
DIOR ディオール
37.5歳から築くべき、プレミアムブランドとデイリースタイルのいい関係。そのヒントを導くフォトストーリー。
キム・ジョーンズのメンズ アーティスティック ディレクター就任のニュースは、大きな驚きを呼んだ。それはやがて歓迎へと変わり、ファッションシーンは沸き立った。彼が指揮を執る2シーズン目、コレクションにはタキシードが加わった。上質なウール仕立ての一着は、合わせが浅く、独特なフォルムを作り出す。以前受けた歓迎に恩返しするような祝いの服である。
ムッシュ ディオールも度々用いたハウンドトゥースの一部はラインが歪み、トリックアートのように見えるセットアップ。パッチポケットや一見シングルのように思える変形のダブルブレストのジャケットは、どこかモッズな雰囲気を感じさせる。柄もムードも英国関連。イギリスで生まれ育ったキム・ジョーンズが扱うからこそ意味を持つデザインだ。
シングルボタンとボクシーなシルエット、フロントを開けると生地目が顔に向くようにバイアスカットされたファブリック。グレーのウールスーツに白いブロードのシャツというメンズドレスのオーセンティックを、奇抜に、ではなく、シンプルな味付けでモダンに見せた好事例。足元はブーツで意表を突く。モードは一部の好事家のものだと思っていたら大間違いである。
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