スニーカー世代を刺激する「一足触発」 Vol.30
2019.05.15
FASHION

何度でも生まれ変わるアディダス。アメリカでベールを脱いだ画期的な一足

2019年4月17日、ニューヨーク・ブルックリンにおいて、1足のシューズ、いやスポーツシューズ史上でも類い稀なコンセプトが発表された。それがアディダスの「FUTURECRAFT.LOOP(フューチャークラフト.ループ)」である。

今回発表されたフューチャークラフト.ループはランニングシューズ。アッパー、ミッドソール、アウトソールといったメインパーツはもちろん、シューレース、インソールといったサブパーツもすべてTPU(熱可塑性ポリウレタン)から作られる。

アディダスは海洋汚染を防ぐためのプロジェクトに献身的に取り組むParley for the Oceans(パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ)との間でパートナーシップを締結するなど、これまでもサステナビリティに高い関心を持つブランドとして知られてきた。

「一般的なスポーツシューズに使われている素材は12〜15種類。このことが履き潰したシューズのリサイクルを困難にしていた」 と、アディダスのグローバル・ブランド担当取締役、エリック・リッキー氏。

だが今回発表されたフューチャークラフト.ループは、一般的なスポーツシューズが10種類以上の素材を原料とするのに対し、TPU(熱可塑性ポリウレタン)を唯一の素材とすることで、シューズを履き潰しても100%のリサイクルが可能。リサイクルの際に厄介な存在となる接着剤も使用していない。

イベントにはウィル・スミスの娘であるウィロー・スミス(右)も登壇。サステナブルなプロダクトの開発が次世代にとって、とても重要になると強調していた。

こういったコンセプチャルなプロダクトの場合、そのパフォーマンス性能を犠牲にし、「街履きならいいけど、これで実際にスポーツするのは……」というレベルの製品が少なくなかったのだが、今作は驚くことにしっかりと高い機能性もキープしている。

夕方にはゲーム性の高いランニングセッションが行われ、世界中から参加したメディアらは、このシューズの走行性能の高さを体感することとなった。

イベントの終了後、世界中から集結したメディア関係者がこのフューチャークラフト.ループのランニングシューズを履いて、ゲーム性の高いランニングイベントに参加。途中1kmを4分15秒という速めのペースでも走ったが、本当に走りやすく、自然とスピードに乗ることができ、サステナビリティとパフォーマンスを高次元で融合していることを体感することができたのである。

ペットボトルを収集する際に、ボトルを洗浄し、キャップとラベルを外すように、素材のリサイクルに重要なのはほかの素材を混ぜないこと。フューチャークラフト.ループは、TPU単一でスポーツシューズを製造し、接着剤も使わないことから、100%のリサイクルが可能となる。
回収されたシューズは裁断され、リサイクルされ、新たなシューズに生まれ変わる。

現在はまだテスト段階で、本格展開は2021年春を予定。発売が今から楽しみだ。


南井正弘=取材・文

# アディダス# スニーカー# フューチャークラフト ループ# ランニングシューズ
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