2019.04.14
FASHION

かさ張るダウンのスマートな収納法と、自宅でできる洗濯術をプロに聞く

正しいメンテと賢い収納【冬服編】●4月に雪が降る異常事態を終え、そろそろアウターをクローゼットにしまい込んでも良さそうだ。でもその前に、ちゃんとメンテした? 次の冬も仲良くするための適切なケアと保管方法についてプロに聞いてきた。

暖冬とは言いつつ、昨冬もしっかりダウンのお世話になった。シーズン中はそのボリューム感がなんとも頼もしかったが、出番が終わると邪魔にも感じるから人間って勝手だ。来年もちゃんと仲良くできるように、春夏はダウンにも快適な休暇を過ごしてもらおうじゃないか。

チェックポイントは襟と羽毛。劣化したらもう取り戻せない

ダウンと仲良くできないとどうなるか。隙間風が吹くような関係になってしまった例を、“古い服”を星の数ほど見てきた中目黒の名店・ハレルの店主の加瀬さんに聞いた。

加瀬善隆さん●「ハレル」代表。10代で古着にハマり、ヴィンテージショップで働き始める。その後、渋カジ世代にもお馴染みのセレクトショップで買い付けなどに携わったのちに独立。2014年、中目黒の路地裏で「ハレル」を開店する。造詣の深さには業界からの信頼も厚い。

「僕がダウンを買い付けるときにまずチェックするのが襟と袖口です。ムートンと同じですね。よくあるのが、汗を吸って黒ずんでるものとか、それが放置されてさらに変質した結果、カチカチにヒビ割れてるもの。こういう汚れって、時間が経つと硬化しがちなんです」。

確かに、ハイスペックなダウンほど、ときに真冬でも汗をかくくらい温めてくれることがある。そうか、あの汗はダウンが吸ってたのか。

「あとは、中の羽毛の状態。ボリュームが少なくなってスカスカになっていたり、羽毛が片寄って空白地帯が目立つもの。どちらも見た目がよくないし、そういう隙間から熱が逃げて保温力もない。それじゃ意味ないですからね」。

大事な毛は失ってからじゃ遅い。では、お気に入りのダウンを休ませる前に、やるべきことは何?

意外と大胆? ダウンジャケットは洗濯機で丸洗い

冬の間しっかり働いたダウンは、見た目はキレイでも劣化が進んでいるかもしれない。そんな不安を取り除くべく、家庭でできる最良の手入れと保管方法を、気鋭クリーニング店「レジュイール」の榎本裕介さんに聞いた。

レジュイールの榎本祐介さん
こちらが榎本さん。この道15年以上という、クリーニングのベテランで、特にシミ抜きの技術なら右に出る者なし。

【1】洗濯機に突っ込む際、注意すべきは洗剤選び

「羽毛は水に濡れても問題ないので、ほとんどのダウンは家庭の洗濯機に入れてもらって大丈夫ですよ」。

え? ダウンって洗濯機に入れちゃっていいの?

「はい。ただ、シェルが薄手で破れやすいものが多いので、ネットには必ず入れてください。問題は洗剤です。粉末石鹸の使用はできるだけ避けてください。理由は2つあって、1つは溶けにくくて残ってしまいやすいから。もう1つは、粉末石鹸はアルカリ性が多いからです。アルカリ性は羽毛の油分を取ってしまうので良くないんですよ。中性の液体洗剤を使うのがベターです。中性であれば粉末でもOKですが、その場合はすすぎをしっかりしてください」。


【2】乾燥機を使ってでもしっかり乾かせ!

実際に洗濯機にかける際には、すすぎと脱水までしっかりするのを忘れずに。コインランドリーなどで行う場合は乾燥機を使っても問題ないとのこと。羽毛やナイロンって熱に弱いイメージがあったから意外だ。

「乾燥機の熱はそこまで強くないので大丈夫。もし自然乾燥させる場合は、乾ききる前に少し中綿の寄りをほぐして整えておくと良いと思います」。

実際に洗濯後、乾燥機にかけると……なるほど! かなりフカフカになる。

ノースフェイスのダウン
洗濯乾燥を終えて圧を取り戻したダウンジャケット。例えるなら、干したばかりの布団のような感じ。うん、気持ち良さそう。


【3】カバーは不織布が◎ ビニール厳禁!

コンディションが回復したら、最後に次の出番に備えて収納するだけ。とはいえ、ハンガーに掛けたコイツはシャツ5枚分くらいの幅が取られる。どうにかならないもんでしょうか?

「スペースが気になるようであれば、ダウンは畳んでコンパクトにして保管しても大丈夫ですよ」。

そもそもアウトドアウェアなどでは携行用に専用のサックが付いたものも少なくない。ダウンとはもともと小さくまとめられるのも利点なのだ。

「ただ、湿気がこもってしまうので、布団圧縮機のようなビニールは避けるべきです。これはダウンに限らず衣類の保管全般に言えることなんですが、ビニールでの収納はオススメしません。不織布の袋やガーメントなら、通気性も確保できて埃からも守ってくれますよ」。

保管は吊るしでもたたみでもOK。ハンガーを使う場合はジャストな肩幅のものを。合ってないと中綿の寄りの原因となる。

まず、不織布の袋かガーメントにしまう。特に袋の場合はちゃんとダウンジャケット全体をしっかり覆えるサイズかどうかを事前にチェック。

入れ方は、両袖が前で交差するように。

空気を抜きつつ、折りたたむ。複数ある場合は、重ねて収納していくと省スペース化がはかどる。

頭を悩ませがちだったダウンの保管もグッとスマートになりそう。また寒くなってきたら即戦力として現場復帰してもらうから、それまで“羽”を休めておいてね!

Rejouir(レジュイール)●約35年の歴史を持ち、現在では世界的メゾンからのクリーニング依頼も途絶えない東京・南麻布の高級クリーニング店。熟練した職人がアイテムごとに最適な処理を見極めて、1点1点に膨大な手間をかけてケアしてくれる。

住所:東京都港区南麻布1-5-18 FRビル
電話番号:03-5730-7888
営業:9:00〜18:00
日・月曜、祝日休み

今野 壘=取材・文

# ダウンジャケット# メンテナンス
更に読み込む