2019.03.18
FASHION

いい状態で「ずっと着てほしい」。その一念が生んだデニムとスウェットのスゴみ

ここに紹介する服は、作り手側とユーザー側、立場は違えど「ずっと長く着る」という思いから、隠し味的な工夫を盛り込んで生まれたワードローブ。見た目は素っ気ないけれど、読めばわかるそのすごみ。


「デンハム」のデニム

デンハムのデニム「ヴァージン トゥ ヴィンテージ」
4万3000円/デンハム・ジャパン 03-3496-1086

リジッドからじっくりとはき込み、自分だけのヴィンテージへと育て上げるのはデニムの醍醐味。しかし、いくらデニム地はタフとはいえ、長年はいているとハードなダメージは避けられない。それも味わいと解釈できるものの、その寿命が縮まっているのは確かであり、志半ばでボロボロになってはけなくなることにもつながる。また、オッサンになってみると、破れたデニムに抵抗を覚えたり、エイジングを楽しみつつも清潔感は損ないたくないのが本音だ。

そこで立ち上がったのが、ご存じのデンハムである。

ブランドのフィロソフィー「ヴァージン トゥ ヴィンテージ」、すなわち未加工の生の状態からはき込み、ヴィンテージになるまで付き合えるといった意味合いだが、こちらのモデルはそれを具現化する逸品だ。

この興味深いモデルは、「長期間着用して美しい色落ちをさせたい。でも破れるのは困る」というユーザーの声から生まれたという。

一見するとオーセンティックに映るが、実は生地に、通常のナイロンより格段に強度の高いコーデュラナイロンが混紡されており、いっそうの耐久性が実現されている。そのため、過酷にはき込んでも簡単には裂傷したりしない。加えて、ナイロン混紡によって微光沢を帯び、これが品の良い表情を見せている理由だ。

それでいて旧式シャトル織機で織り上げたセルビッジデニムのため、珠玉の色落ちも期待できる。そして「ハマー」と名付けられたテーパード気味のストレートシルエットは、幅広いコーディネイトに合わせやすい。これで心置きなくはき込めて、末長く愛せるようになったのだ。


「エイトン」のスウェット

「エイトン」のスウェット
2万6000円/エイトン 青山 03-6427-6335

大手アパレルメーカーで素材開発やディレクターなどを務めてきた久崎康晴さんが、2016年にスタートさせたエイトン。プライベートで、グレーのスウェットを偏愛し、その知識やモノ作りにおいてもオーソリティーである氏のブランドだけに、パッと見では普通に思える1着にも、驚きの作り込みがそこかしこに息づく。

まず最大の特徴は生地の裏毛。硬く強い糸を芯に、柔らかな糸を巻きつけてアルデンテ状に仕上げたオリジナルの綿糸、ゼロヤーンを使用。一般的な裏毛の倍以上も太いそれを用い、高密度で編み立てた肉厚のボディは、コシと耐久性に富み、型崩れしにくく、仕上げに十分な洗いがかけられているため乾燥機でも縮みにくい。一方、肌触りはきわめて柔らかく滑らかで、最高に気持ちがいい。

「10年は余裕で着られます」という久崎さんの自信がうかがえる快作。好調を背景に、エイトンは、昨年12月、旗艦店を東京・表参道にオープンさせた。

また両脇にリブ生地のアクションパネルを設けることで、しっかりとしたボディでも快適に動きやすく、スムーズに脱ぎ着することができる。

そしてトライアングルカットになった袖口の変形リブは、そこに集中する力点を分散させるためのもの。自身が多くのスウェットを着倒す中、袖リブの付け根にかかる負荷と擦れによってステッチがほぐれ、破れることに気付いた実体験が活かされたものだ。

そうした随所の創意工夫は、良品を長く愛用してほしいという心遣いから。デビュー早々に話題となり、着心地と品質にうるさい女性先行でブレイク。メンズでもファンが急増しているのもうなずける。


渡辺修身、鈴木泰之、蜂谷晢実、高橋絵里奈(清水写真事務所)、比嘉研一郎=写真 星 光彦、来田拓也、松田有記=スタイリング 髙村将司、いくら直幸、今野 壘=文

# デンハム# カタログ# スウェット# デニム# 耐久性
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