冬の“主役”だからこそ、その選択に妥協はできない。だからファッションに関わるプロに聞いてみた、今本当に選ばれている、ダウンジャケットとコートのこと。どんなモデルが使えるのか、どう着れば良いか? 彼らの口から出た言葉は僕らの明日への金言だ。
「イエティ」のダウンジャケット
&「フリーマンズ スポーティング クラブ」のコート
アーバンリサーチ プレス
中山慶人さん Age 35
「昔は色々なスタイルに挑戦しましたが、今はカッチリとカジュアル、どちらにも寄りすぎない格好に落ち着きました」。中山さんは、バカ売れコート&ダウンをそんな自身の美意識に沿って着こなしてくれた。
「これは高い断熱性をもつ“クリスタルダウン”を封入したイエティのもの。その表面には細い糸を限界まで打ち込んだ複合素材を採用しているため、肌触りと柔らかさは格別です」。鮮明な赤いシェルのインナーには白ニットを合わせてコントラストを強調。あくまでもダウンを主役としたコーディネイトだ。
一方、ステンカラーコートは、光沢を抑えた玉虫色がポイント。「その繊細な色みを活かすべく、ほかのアイテムの色数は少なめに。ただ、ウールのベストやスエードのパンツなど異素材を合わせることで、単調な着こなしに見えないように工夫しました」。
「コロンビア」のダウンジャケット
&「コロンビアブラックレーベル」のコート
コロンビアスポーツウェアジャパン マーケティング部
内藤教之さん Age 38
内藤さんは幼少時代から家族でキャンプに行くのが恒例で、現在も登山を嗜むという生粋のアウトドア派。そんな彼が着こなしてくれたのは、コロンビアの創業80周年を祝した復刻ダウンジャケット。
「コットン60%、ナイロン40%という昔ながらの混紡生地“ロクヨン”クロスを採用しているので、質感や雰囲気がどこか懐かしい。その空気感を活かせる様、古着の軍パンと合わせました。太めのルーズなシルエットが、バランス良くハマるんです」。
対して、コートの着こなしは?「これは防水・透湿性に優れるオムニテック仕様のステンカラーコート。若干モードの薫りがするので、それが引き立つようにオールブラックでまとめました。またコートの縦長シルエットを際立たせるために、パンツもタイトなものをチョイスしています」。機能性もファッション性も両立させた一挙両得コーデだ。
「ユニフォーム エクスペリメント」のダウンジャケット
&「ソフネット」のコート
ソフ 阪急メンズ東京 店長
相馬竜二さん Age 42
相馬さんが太鼓判を押すユニフォーム エクスペリメントのダウンジャケットは、ブラック地とレオパード柄のリーバシブル仕様。さらに収納式フードを採用したシンプルなフォルムも特徴だ。
ベーシックな色柄が好きだという相馬さんはやはりブラック地をチョイス。「ただ男くさくなりすぎないよう、随所に白を効かせました」。
コートのコーディネイトは、余裕を持たせたゆったりシルエットにメイク。「もともとコートが好きで、大きめをバサッと羽織るのがマイ定番でした。トレンドのビッグシルエット化で、その傾向はいっそう強まりましたね。このコートの場合は、普段よりワンサイズ上のXLをチョイスしています」。
キャップ、デニムジャケット、チノパンとカジュアルなアイテムを合わせ、堅苦しくなく、適度に抜け感を意識。上質な大人ストリートを目指すなら、是非ともこんなスタイルを真似したい。
「セブンバイセブン」のダウンジャケット
&「マーガレット・ハウエル」のコート
アングローバル プレス
及川壮也さん Age 40
セブンバイセブンの売れ筋ダウンジャケットは、染色職人による鮮烈なブルーのコットンシェルが特徴の1着。及川さんは、上品なグレーの極太ウールトラウザーズでその色合いを引き立てた。
「年齢的に丈が短いものが少し気恥ずかしくなってきたのもあって、今はクラシカルな長めのタイプが気分ですね」。
次いでコートは、大きめの襟&ポケットに配されたフラップがポイント。「単にデザインだけでなく、アイテムが持つ背景やストーリーに惹かれる人も多いと思います。そういった観点で言うと、これはすごくお気に入りです」。
英国の老舗サプライヤー、ヘインズワース社の上質なフランネル生地を使用しており、“素材自体が既にデザインである”というデザイナーの言葉に共感したそうだ。長めの着丈を活かすべく、前は閉じてIラインを強調したコーデを勧めたいという。
恩田拓治、鳥居健次郎、比嘉研一郎、小林孝至、中野 理=写真 今野 壘、戸叶庸之=取材・文