「お洒落であるより、格好良くありたい」と言う種市暁さんのスタイルに本誌が注目し、“種カジ”と勝手に命名して早数年。いつもパッと見の印象は無造作なのに、なぜか格好いいから不思議。そんな彼の装いの“タネ”をムリヤリ解説してもらう企画。
ーー今注目のトラックジャケット&パンツのセットアップを巧みに料理してきましたね。今回は“スポカジ・ミーツ・種カジ”だ。
「手の早いファッションピープルには既にお馴染みのジャージーのセットアップに、自分なりの答えを出しておこうかと」。
ーーファッションに関してはストイックですね。頭が下がります。
「そんな折に見つけたのがコレなんです。サイドライン入りのジャージーを見ると、僕ら世代はやっぱりオールドスクールが頭をちらつくわけですよ」。
ーーズバリRUN DMCっすね! ジャージー上下にハットを合わせるスタイルは彼らのアイコン。とはいえ大人が“まんま”それを味わっちゃダメだと。
「IT’S、ご名答DA・YO・NE!」。
ーー急にキター。冒頭の殊勝な態度と180度違うー。種さん、最後までそのテンションで行きます?
「I・KU・YO! DO・YA・SA!」。
ーーくるよ師匠入ってますって(汗)。
「カモン!」。
ーーでも、オールネイビーだと落ち着いて見えるから不思議、DA・YO・NE?
「いいねバディ、ノってきたね」。
ーーサイドラインもワントーンで悪目立ちしてないし、ゆったりしたシルエットも今っぽいし。
「イエス! それこそシティスタイルRE-MIXのキモだし! そもそも昔を引きずるオヤジだと思われたくないし」。
ーーめちゃくちゃ韻踏んできますね。ちなみにインナーは何を?
「ベロアのポケT、そしてキャメルのコートを手持ちー、足元はブーツでハズしー」。
ーーフロウはともかく……コーディネイトはクリティカル!
HO・SO・MIのゴールドネックレスを“ちらり”
OCEANSコラボマーケットで大好評だったヨイアカツキのゴールドネックレスをオン。「リアルなオールドスクーラーはごっついのしてますが、ここは細身でさりげなく。でもリスペクトは込めて金を選択」。首元を開けたときにチラ見えするくらいがいい感じ。
ベロアのインナーで醸すオールドスクール感
ジャージーと同じネイビーでまとめたインナーはベロアのものをチョイス。「これにTシャツではスポーツマンになってしまいますし、カルチャーの薫りも出せませんから。RUN DMCもこんなの着てたよなー」と種さん。
最近ハマっているふわっと漂う香りの正体
「ストリートなノリのスタイルだからこそ香りにも気を付けたいんです」と言って取り出したのは、スウェーデンの新着ブランド、ラ・ブルケットのリネンウォーター。「香水だと少し強いなってときにひと吹き。ふわっと漂う絶妙な具合に最近ハマってます」。
PROFILE
たねいちあきら●1972年生まれの45歳、東京下町出身。サーフィンを愛する海男。長年勤め上げたビームスを退社し、現在はフリーランスとしてブランドのコンサルティングやプロダクトのディレクションなどを手掛ける。種カジのこぼれネタがポストされるインスタグラム(@taneichiakira)もチェック!
山本 大=写真 髙村将司=文