さらりと羽織れば、風にはためき、さまざまな表情を見せる。そんな七変化がまるで役者さながらなのが、「軽め、薄め」なこれらのコート。
しかもちょっと丈長だと、さらに「役者感」が高まる。でもって颯爽と着流す姿もまた「役者」みたいに見える?
「エイチ ビューティ&ユース」
ウールカシミヤのメルトンを一枚仕立てに。たっぷりしたサイジングに加え、襟の折り返りがそのまま裾にかけて柔らかくロールしているデザインで、ローブのような優しい見た目に。
着こなしのコツはパーカ&スニーカーに“さらり”で大人ストリートに仕上げる薄く、軽いためにロング丈の裾がたなびくそのエレガンスをどう楽しむか。構える必要はまるでなし。着慣れたパーカやスニーカー、パンツはデニムやオリーブカラーの軍パンやワークパンツなど、アメリカンなスポーツカジュアルアイテムにさらりと羽織れば、合わなそうにも思える両者のコントラストが浮き彫りに。互いに引き立てあい、うまいバランス感に仕上がること間違いない。まさに、現在のハイファッションの主流でもある、ストリートミックスなスタイルが完成するのだ。
「バブアー」×「ビームス プラス」
オン・オフ兼用間違いなし。「シングルブレステッドコート」をナイロン生地で別注。’30年代のモデルを忠実に再現したクラシカルな風情とアウトドアウェアの出自に都市感覚が加わった。
「ホワイト マウンテニアリング」
スリーシーズン着用できそうな生地で、通常は隠される衣服裏側のテープ処理などを大胆にもデザインとして成立させた快作。リバーシブル仕様で反対面はシンプルな無地で。
「ブラームス」
クラシカルなダブルウインドーペーンが配されたチェスターコート。裏地を持たない一枚仕立てにして立体感のある縫製。程良いハリ感のあるウール×リネンのツイル地は、柔らかく風になびく。
清水健吾、高橋絵里奈=写真(ともに静物) 星 光彦=スタイリング 髙村将司、いくら直幸=文 長谷川茂雄=編集