仕事も遊びも全力。家族や仲間も大事だけど、自分も大事。外で動く時間も好きだけど、家の中でぬくぬくと過ごす時間も好き。パーソナルな興味を掘り下げるのも好き、流行を無視しないトレンド感もしっかり持っている。
そんなオーシャンズ世代のライフスタイルに寄り添う、ちょっといいモノ10選を、前後編でご案内。
時を忘れて、記憶をとどめて。
「フレッド」のレザーカフブレスレット
秋晴れの空に誘われて、今日は子供と、疲れ果てるまで全力で遊ぼう!と決意。いつもの重たい時計をはずして、代わりに腕元を飾るのは、ヨットのシャックルモチーフが遊び心を見せるレザーカフブレスレット。「気分は緩めたいけど、お洒落マインドまでは緩めたくない」なんていう、俺たちなりの週末モードにスイッチする、いわば変身ベルトのような存在だ。
久しぶりに子供を肩に乗せた。「あれ、いつの間にこんなに重くなったんだろう……」。いずれ子供は大人になる。今日遊んだことも肩車も、いつまで覚えているだろう。だけど、子供がお洒落を気にする年になったとき、ふと「親父って洒落てたんだ」なんて、この腕元を思い出してくれたら、それはちょっと誇らしい。
オトナの楽しみ、嗜み、歴史のうま味。
「ブルックス ブラザーズ」のジャケット
「若さ」は言うほど、うらやましいものじゃない。オーシャンズ世代なら、もうそれに気付いているでしょ。経験が積み重なって貫禄になる。甘さも苦さも知って品格になる。そんな新しい魅力の自分を受け入れる人に似合う服がある。世紀をまたいで歴史を継承する「ブルックス ブラザーズ」のジャケットだ。
こちらは、ブラウン、グリーン、レッドなどのマルチカラーで織られたガンクラブチェック柄のハリスツイード生地を使用。10年後も20年後もヘタらずに着られ重厚な1着に袖を通せば気分がシュッ! 自然と気持ちも前向きになってくる。やっとたどりついた人生の円熟期。気負わず歴史を味わえるようになれるなんて。オトナになるって、いいもんだなあ。
目指せ!佇まい優良中年。
「ビューティ&ユース」のダウンジャケット
中年男性のアウター選びって難しい。体の大部分が包まれるってことは、「私、こういうものです」と、どデカイ名刺を着るようなもん。シンプルなほどに品質がバレるし、凝りすぎてても気恥ずかしい……。要は、無駄がなく上質で「オシャレ!」って思われて、さらに自分らしくいられるものが◎。
で、ご紹介するのはこのダウンジャケット。無駄な縫製やマテリアルを削ぎ落とした“どシンプル”が着る人の人柄を引き立てつつ、さりげないグレンチェック柄が程良い洒落感を漂わす。世界のアウトドアブランドに支持される生地メーカー、小松精錬の素材ゆえ品質はお墨付き。さあ、この冬は寒さに背中を丸めず、胸を張って凛々しく歩くのだ中年男子諸君!
子供は風の子。オトーチャンは何の子?
「ビーミング by ビームス」のダウンコート
ハイ、ここで問題。「子供は風の子」とは冬になると大人だけが言い出す日本のことわざ。では、オトーチャンは何の子でしょう? 答えは「太陽の子」かな。そうなんです、寒い冬も父業は休めません。オトーチャンが寒がってちゃ、子供だって元気になれない。笑顔が最高の暖房設備なんですから!
大丈夫、動きやすくタフで軽量で、体を暖かく包み込むダウンコートを味方に、余裕な表情を見せてやるんだ。街着としてもフィットするスリムなピーコートデザインだから、扉を開けてアウトドアに出かけよう。冬のホリデーシーズンに決まって到来する、家族のあくなき買い物行軍にだって、とことん付き合ってあげられる……はず!
当世「男らしさ」ファッション事情。
「ヒステリックグラマー」のムートンブルゾン
長年、ニッポンの男が惚れる男のファッションを引っ張ってきた「ヒステリックグラマー」。トレンドに揺らがない男好みの世界観がありながら、どこかポップで人に愛されるマインドが潜むブランドだ。
この冬登場したリバーシブルで着られるムートンブルゾンにも、そんな魅力は健在。アメリカンニューシネマあたりに登場する男たちが着てそうな、いかにも「男」ってな感じの佇まいにクラッとくる人は多いはず。触ると風合いは軽くて柔らかく、モフモフのファーライニングが気持ちいいのなんの。
しかも、こちらの素材はエコムートン。無頼な男っぽいスタイルの体裁を崩すことなく、大げさに書けば社会倫理だとか問題意識を持てる服。そういうチョイスができる男、いいと思うな。
赤木雄一(eight peace)=写真 山田陵太=スタイリング 宮本佳和(BE NATURAL)=ヘアメイク 宮原友紀=編集・文