「デニムは男の聖域」なんて、うそぶきながらオッサンになっても“ゴーイング・マイ・デニム・ウェイ”を進んでいると、思わぬ落とし穴あり。
それは「ママ目線」。そう、オッサンのデニム姿にいちばん厳しい目(と大きな愛)を向けているのは、ママなのである。
オッサンにとっていちばん身近で、いちばん似合ってると思っているデニム姿が、知らないうちにパートナーから「いまいち」なんて思われていたら……こんなに悲しいことはない。
ということで、知っておかないとまずいですよ、ママたちから見た「ここがヘンだよ、男のデニム」。
今回お話を聞いた3人のママ越智めぐみさん本誌やTV番組の「パパ改造計画」で活躍中のヘアメイクアーティスト。これまで数々のパパを改造しており、「イケテナイ」パパを見る目は確か。4歳と1歳の男の子のママ。
渡辺真紀子さんレディスファッション誌をわたり歩き、現在も某誌で活躍する敏腕ファッションエディター。やんちゃ盛りの3歳9カ月の男の子を保育園に通わせる日々。
土井地恵理子さんバッグブランド、HAVEFUN(ハブファン)のデザイナー。小学校6年生になる双子の女の子に、徐々に自分の洋服を奪われつつあるそう。夫もアパレル業界在職、その評価やいかに。
(以下敬称略)
男は甘い!? デニムの“OK/NG ライン”
編集部 今日はありがとうございます。早速男性のデニムについて伺っていきたいのですが、旦那さんや30、40代の男性のデニムについて思うことは?
土井地 男性は女性よりも“背景”を気にしますよね。パッと見はただのクタッとしたデニムでも、「これはどこどこ産だ」とか「19◯◯年代のだ」とか。
一同 確かに。
渡辺 ウチの夫の場合は、高校生からその姿を知っているんですが、 最近はどうしても体型がおじさんになってきているのに、 デニムの好みは若い頃と変わらず。ブランドとかシルエットとか、 選びの基準が20年前から止まっている気がします。なんとなく、 年相応の選び方をしてほしいなあと思いますね。
編集部 年相応とは?
渡辺 旦那の年齢が42歳なので、やっぱり小ギレイにいてほしい。なので、あんまり激しいのとかはちょっと……。
編集部 激しいのはダメですか?
渡辺 激しいというか、「汚い」感じがNGですかね? 我が家に設置している「洗ってはいけない服コーナー」に、常にデニムが置かれているんですよ。本当に洗ってほしい(笑)。特に夏はキビシイ。だからといって勝手に洗ったりはしないんですけどね。
※「いい色落ちを目指すなら実践すべき、正しいデニムの洗い方」はコチラ!越智 20代なら、数回はいて洗わないとか、色落ちとかにこだわっていても、まあいいんです。でも30代からは、クタクタとか膝が出てるとかじゃなくて、デニムもやっぱり小ギレイにはいてほしい気持ちはありますよね。色落ちやダメージデニムもいいんですが、加減がキレイな感じがいい。
一同 わかる!
越智 ヘアメイクのお仕事をしていても、デニムの色落ちが形状記憶みたいに体型を浮き彫りにした、女性から見ると異様に生々しいデニムを何があってもはき続けている男性、結構多いように感じます。気に入りすぎて、気持ちが最高の一本を仕上げる職人みたいになってる(笑)。
土井地 うっかり誰かに褒められちゃったんでしょうね。
渡辺 それ、褒めるの絶対男性ですよね。「その色落ちいいね!」なんて。
編集部 多くの男はそうですね、きっと。誰かに褒められたりしちゃうとどうしても気持ちが入ってしまうというか(苦笑)……。
土井地 しっかり手入れされたヴィンテージデニムは私も好きなんですけど、さすがに色落ち部分が茶色っぽくなってたりしていると、汚い感じに見えちゃって、買い換えればって思います。
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