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2018.08.07

ファッション

40代にこそ “可愛げ”を。オジサンに似合うデザイナーズTの選び方

Tシャツ選びで持つべき7の視点
夏の必須アイテム、Tシャツ。当たり前に着てるけど、それを心から楽しめているかと聞かれて、自信を持って「YES!」と言える人って少ないのでは?
シンプルなだけに奥深いTシャツをもっともっと楽しむための7の視点を紐解こう。
第4回は「デザイナーズTシャツ」。
名だたるメゾンやモードブランドのデザイナーが、 世相を反映したアイデアをプリントやデザインで表現したものが“デザイナーズTシャツ” 。
奇抜な色使いやメッセージ性の高いものが多く、特に近年は、女子が好んで着るような“可愛い”モチーフのものも多いという。
これまで多くのブランドのPRやマネジメントに携わり、デザイナーズTシャツにも精通する小塚源大さんは「オッサンこそ“可愛げ”があるデザイナーズTシャツを着るべき」だという。その真意は?

自分のキャラを知った大人だから
デザイナーズTが着こなせる


「無地のTシャツなんかと違って、デザイナーズのTシャツは、気分やトレンドに合わせて頻繁に買うもののひとつですね。足を運んだ国や都市、その場所の雰囲気に合わせて、こういうものが着たいと思ったら、ふらりと現地のショップに入って購入することはよくあります。でも、デザイナーズTシャツは年を重ねるほど着るのが難しくなるのも事実だと思います」。
小塚さん所有のデザイナーズTシャツのごく一部。時代を彩った懐かしくも有名なプリントばかり。今でも自宅には100枚ほど保管しているという。
オーシャンズ世代が旬なデザインをなんでも着こなせるわけではない。いや、むしろ「流行のTシャツを着こなすのは難しい」と小塚さんは言う。
「若い頃みたいにトレンドだけ追いかけていれば良いというものじゃない。でも、若い頃よりも今のほうが、自分のキャラクターをわかっているというアドバンテージもある。ロックモチーフのTシャツを、ずっとロックを聴いてきた大人が着ると、やっぱり説得力が違う」。
「服は他者とのコミュニケーションツールとしての要素を持ち合わせていると思っているので、自分のキャラに合うものをチョイスすることがいちばん重要だと思います」。
年を重ねたオッサンには、オッサンだからこそ似合うデザインがある。大げさに言えば、Tシャツには自分の生き様がそのまま反映される。だからオッサンは、自分のキャラを立たせられるTシャツをもっと堂々と着るべきなのかもしれない。
トレンドが去ってしまうと着るのが難しくなるのがデザイナーズTシャツのデメリットでもある。とはいえ小塚さんは「何年かするとトレンドが巡ってきて、また過去のデザインが着たくなる」という。それがデザイナーズTシャツの魅力なのだ。
「デザイナーズTシャツの遊びのあるデザインやプリントを逆手に取ることも大切だと思います。オッサンだからと、シンプルで無難なものだけを選ぶのではなく、ちょっと可愛げがあるぐらいがいいんですよ。ポップな書体やプリントがギャップになって、キャラを引き立ててくれることだってありますから。そうやってデザイナーズの持つ力をうまく利用することこそ、大人の着こなし方だと思います」。
 

小塚さんが勧める大人の“可愛げ”デザイナーズTシャツ

バレンシアガ
スラッシュメタルバンド、メタリカのロゴをモチーフしたバレンシアガのノースリーブT。ニコラ・ジェスキエールが手掛けた傑作は、「今はサイズ感がマッチしませんが、手放せない1枚。この遊び心は最高です」。
 
ラグビー ラルフ ローレン
「NYに初めて行ったときに衝撃を受けてから、よく買っていたのがラグビー。ブランドはなくなってしまいましたが、プレッピーの代名詞として忘れられませんね」。
 
マーク バイ マーク ジェイコブス
「プレイボーイ」創刊60周年記念で作られた限定Tシャツ。「プレイガールに扮したケイト・モスは気分が上がります(笑)。これは保存用です」。
 
ヴァナ ヤングスタイン
NY発の気鋭ブランド。「個人的に今かなり気になっています。NYのスタイリストが始めたブランドで、プリントのアイデアにどれも“可愛げ”があるんです。大人の男がハズしで着られる面白いデザインが揃っていますよ」。
 
リネンのセットアップにスニーカーを合わせた小塚さんのサマーコーデ。ヴァナ ヤングスタインの“CHERRY BABY”Tシャツが、可愛げなアクセントになっている。
 
自分のキャラクターに合うモチーフやメッセージを考えながら、思い切って可愛げのあるデザイナーズTシャツを選んでみる。
そうすれば、自分でも新たな発見があるし、Tシャツを着ること自体がもっと楽しくなるはずだ。
[話を聞いた人]

小塚源大●こつか もとひろ 43歳
大手セレクトショップのPRを経て、2008年にPR &マネジメントオフィス「アントリム」を設立。国内外の著名ブランドのプロモーションから、新進ブランドの発掘まで行うPRのスペシャリスト。
八月朔日仁美=撮影 長谷川茂雄=取材・文


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